英語とスペイン語の2言語完全習得、自らの渡米経験を盛り込んだエッセイ本の出版、キャリアコンサルタント資格を生かした駐妻・駐夫のキャリア支援。さらには、米国内外への旅行、ダイエットなど、すべて志半ばですが、1つでも多く実現していきたいと思っています。

人生の大先輩から「新しい夫婦の在り方を示しなさい」

昨年に引き続き、ニューヨークシティマラソンに完走した直後の筆者
昨年に引き続き、ニューヨークシティマラソンに完走した直後の筆者

 渡米の最終的な決め手は、「家族は一緒にいたほうがよい」という極めてシンプルなものでした。それには私の原体験も大きく関わっています。父の転勤などの事情で、私が高校2~3年の2年間、父と妹が埼玉、母と私が仙台とそれぞれ別れて暮らした時期がありました。大学受験、その先の職業選択をするに当たり、父が身近にいなかったため気軽に相談できなかった点は、多少なりとも痛手となっています。

 7歳の娘・5歳の息子と、多感な高校生を比べるのは無理がありますが、子どもにとって、母性だけでなく父性的な側面が必要な場面もあると思われます。妻の赴任はこの先何年になるか分かりませんが、その点は重視していかなければならないと考えています。

 仕事を休職するに当たり、ここ10年来尊敬してやまない人生の大先輩から頂戴した言葉があります。「これからは、おまえみたいな生き方を選択する男は珍しくなくなっていく。新しい夫婦の在り方を示しなさい」。言われた直後、思わず涙腺が緩み、妻ともシェアしたこの一言、今も、心に深く刻まれています。

 駐夫としての苦悩、小西家の夫婦としての在り方、わが子の成長ぶりについて、皆さまにまたお伝えする機会があれば幸いです。連載開始以来、長い間お読みいただきまして、どうもありがとうございました。

文・写真提供/小西一禎