海外に転勤した夫に付いていく妻は、ちまたでは「海外駐在員の妻=駐妻(ちゅうづま)」と呼ばれます。では、妻の転勤に付いていった夫は「駐夫(ちゅうおっと)」——? 共働きであれば、いつ起きるか分からないのがパートナーの転勤。妻の米国への転勤を機に会社を休職し、「駐夫」になることを選択した大手メディアの政治記者、小西一禎さんが駐夫&主夫生活を送りながら、日本の共働きや子育てのあれこれについて考える連載です。今回は「進化した自分をワンオペで実感」。

10日間の完全ワンオペを経験、昨年と比べると?

 妻の相次ぐ国外出張により、7月に1週間、9月には10日間の完全ワンオペを経験しました。昨年のワンオペ時と比べると、長女、長男とも精神的にたくましくなり、涙を一切見せませんでした。私もある「秘訣」を取り入れたためか、昨年よりも気楽に父子3人で乗り切れた気がします

 昨年9月のワンオペ時、初日から2日続けて「パパなんか、大っ嫌い、ママぁ、ママぁ」と泣き叫んだ長女。「あと何回寝れば、ママは帰ってくるの」と何とか気丈にふるまいながらも、連日さみしさを隠さなかった長男。さすがに、2人とももう慣れたのだと思います。と言うよりも「ママはたまにいなくなり、パパと3人で過ごす」ということが、子どもなりに頭で理解できてきたのでしょう。

 子どもたちの気を散らすために、昨年はお菓子や安いおもちゃをいろいろと買い与えていましたが、今回はなし。また、少しでも安心させるために、妻が戻ってくるまでの日を少なく伝えるなどのウソを多用しましたが、今年はその必要もありませんでした。長女より2歳下の長男も、正確に引き算をしており、ウソが通用しなかったという事情もあります。

去年はSOS投稿してもノーリアクションだったが…

 去年は、長女、長男のクラス保護者でつくるグループLINEに「ワンオペなので、ウチの子と一緒に遊んでくれませんか」とSOS投稿しても、残念ながらノーリアクションでした。

ファーム売り場に並ぶハロウィーン用のカボチャを選ぶ長男
ファーム売り場に並ぶハロウィーン用のカボチャを選ぶ長男