海外に転勤した夫に付いていく妻は、ちまたでは「海外駐在員の妻=駐妻(ちゅうづま)」と呼ばれます。では、妻の転勤に付いていった夫は「駐夫(ちゅうおっと)」――? 共働きであれば、いつ起きるか分からないのがパートナーの転勤。妻の米国への転勤を機に会社を休職し、自ら「駐夫」になることを選択した大手メディアの政治記者、小西一禎さんが駐夫&主夫生活を送りながら、日本の共働きや子育てのあれやこれやについて考える連載です。今回は、米国習い事事情について。

失われた曜日感覚を子どもの習い事で取り戻す

 「わが子に何を習わせようか」「〇〇ちゃんが新しい習い事を始めたらしい」「高い月謝を払っているのに、熱心に練習してくれない」……。子どもの習い事について日々頭を悩ませているママ、パパは多いことでしょう。

 日本では共働きでしたから、正直、子どもの習い事に割く時間はあまり作れませんでした。今は、私に時間があります。せっかくの異国暮らしですし、親がやりたいと思ったことはすべて習わせています。帰国したら、放課後は学童保育に頼りっきりになるのが明白ですから、習い事ができる今を思いっきり楽しませてあげています。

 長女、長男とも習っているのは、ピアノ、ヒップホップダンス、ESL(英語を母語としない人向けの語学教室)、水泳、バイオリンの5つ。これに加えて、長女はバレエ、長男はボール遊びに参加しています。土曜日以外は、毎日何かしらの習い事をしており、バレエ以外の送迎はすべて私が担っています。最初は、開始時刻を間違えたり、休みなのに連れて行ってしまったりと失敗だらけで、落ち込むこともありましたが、今はすっかり手慣れたもので、仕事をしていないために失われる曜日感覚を、子どもの習い事で保っているようなものです。

バイオリンレッスンで、指を「きつね」の形にして弓を持つ練習をする子どもたち
バイオリンレッスンで、指を「きつね」の形にして弓を持つ練習をする子どもたち

 習い事のために、毎月10枚以上のチェック(小切手)を書きます。それなりのお金がかかり、私が「家事・育児の労働対価」とうそぶいている酒代への影響は計り知れませんが、未来への投資を優先していると思えば納得でき、リーズナブルな酒に甘んじています。それはともかく、子どもたちは米国流の「強みを伸ばす」教え方にすっかり乗せられています

 ESLは米国人のネイティブが教えています。彼、彼女らは褒めるのが本当に上手です。