一方、日本の妻は7時間34分で一番長くなっています。その差は、6時間あまり。共働き世帯が増えている日本ですが、妻の負担があまりにも多く、極めて不均衡になっていることが読み取れます。他国を見ると、米国は夫が3時間10分、妻が5時間40分。フランスは日本の次に夫が少なく2時間30分、妻は5時間49分です。

 改めて日米だけを比べてみましょう。夫婦合わせたトータルの時間は、ほぼ同じですが、米国の男女差は2時間30分で、6時間超の日本とは大違いです。家事・育児のうち、夫が家事に費やす時間は、日本34分、米国1時間50分。残りが育児に費やす時間で、日本49分、米国1時間20分です。

 何を言いたいかといえば「日本男子は家事をしない」ということです。専業、共働き家庭を問わず、負荷は女性に偏っていることがうかがえます。6歳未満と言えば、何かと手がかかる年代です。この時期に、夫の協力を満足に得られず、奮闘するママたちの環境を想像してみる、つまりは、主夫・駐夫の私が妻の協力を十分に得られないということに置き換えてみると、考えるだけでゾッとします。耐えられないかもしれません。

BBQでホスト役に徹して、お客さんを楽しませるのはパパ

 米国でも、夫の家事・育児時間は妻より少ないです。ただ、家事の時間に注目してみると、米国男子は日本男子より1時間以上長くなっています。米国の事情を探ってみました。

 これから夏に向けて、全米は本格的なバーベキュー(BBQ)の季節を迎えます。わが家も自宅の芝生の庭で、昨夏はほぼ毎週末BBQをしました。

 たいていの家庭で、肉や野菜を焼くだけでなく、招いた親族や友人を積極的にもてなし、ホスト役に徹して、お客さんを楽しませるのはパパです。米国の知人男性は「週末は妻を休ませたい」と口をそろえます。学校行事として寄付を募るバザーで、ホットドッグやレモネードを売るのは主にパパたち。野球やアメリカンフットボール、サッカーなどの習い事の送迎、練習に付き合うのもパパが頑張っています。

 また、週末は家族そろって外食に出掛けるパターンも多いそうです。ある中年男性は、週末の朝まだ眠っている奥さんよりも先に起きて朝食を作り、ベッドまで持っていくとのこと。これは、私にはできない芸当です。

徹底的に家事が合理化されている米国

 さらに、米国人家庭の平日は合理化が徹底しています。子どもに弁当を持たせる場合、サンドイッチとフルーツを詰めて終わり。キャラ弁の概念はないようです。夕食も冷凍食品を取り混ぜつつ簡単に済ませるか、「Uber Eats(ウーバーイーツ)」などの食事配達サービスも駆使。食器は標準装備の食洗機に放り込み、洗濯も標準装備の洗濯機・乾燥機に入れれば、すべて終わります。確かに、洗濯物を外に干してあるのは見たことがありません。掃除は週末にまとめてです。