乳幼児の添い寝には乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクも

Q3.添い乳、添い寝はしてもいい?

 また成長曲線を外れていて発達に問題あるような場合は、夜中も授乳をどんどんしなければなりませんが、成長曲線に問題がなく元気であれば、1カ月を過ぎた子が1時間おきにおなかがすくということは考えにくいそう。3カ月を過ぎて夜中の授乳が3回を超える場合は、授乳以外の要因を探ってみたほうがよいそうです。

 「例えば騒いだら授乳する、ということをしていると、その一瞬は泣き止んでも、子ども自身の本当の不満が解消できていないからまた泣きますよね。“その場しのぎ”は夜泣きの要因を作り出してしまいかねません」

 寝ながら授乳をする「添い乳」や子どもがお母さんの存在を感じやすい「添い寝」は、お母さんにとってもラクな面はありますが、長い時間しっかり寝るうえではあまりおすすめではないと森田先生は言います。

 「添い寝をするにはお母さん(お父さん)が就寝する時間に合わせる必要が出ますし、子どもを寝かせるためだけにベッドや布団に入ってまた起きて何かをするとなると、お母さん(お父さん)の睡眠の質はどうしても落ちてしまいますよね。なにより乳幼児の場合、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが指摘されています」。リスク回避のためにも、できれば1歳までは子どもは別のベッドで眠るのがよさそうです。

 もう一つ、別に眠ることで「お母さんが十分な睡眠を取れるようになり、子どもの睡眠が確保されやすくなる可能性がある」というメリットも。

 「メラトニンという睡眠ホルモンは、生後3カ月過ぎから分泌されるようになりますが、母乳を通して赤ちゃんにも移行すると言われています。ですので母乳の場合、お母さん自身も規則正しい生活を送ることで、赤ちゃんに十分なメラトニンを与えることができる可能性が指摘されています」

3カ月頃までに、体内時計を整える

 その他、生活サイクルを整えるために、体内時計を整えることも大切です。

 「もともと体内時計のサイクルは24時間よりすこし長く、光を全く浴びずに生活していると、遅寝・遅起き方向にずれていきます。また、現代の生活では夜寝る前まで明るい電灯の下で過ごしますが、夕方に光を浴びることも、体内時計を遅寝遅起き方向にずれさせてしまいます」

 体内時計を24時間の地球のリズムに合わせるためには、午前中に強い光を浴びるのが大切です。曇りの日でも、日光は電灯よりずっと強力なので、日光を浴びるようにするとよいでしょう。

 「ただし、睡眠を十分とることが大切なので、就寝時間が遅めなら起床が7時以降になっていてもいいと思いますが、生後3カ月頃には起床・就寝時間を一定にすることをおすすめします」

 もちろん、体調不良はないか、湿疹があってかゆかったりしないか、便秘や中耳炎はないかなど、健康状態は睡眠に大きな影響を与えます。また、予定日よりも大幅に早く生まれたという場合、成長曲線を出産予定日からの月数によって数える修正月齢で考える必要があります。サイクルがなかなか整わないという場合、こうした側面も見直してみる必要があるでしょう。

 次回は4カ月以降の子どもの夜泣きについて見ていきます。

(取材・文/日経DUAL編集部 山田真弓 イメージ写真/鈴木愛子)

森田 麻里子(もりた・まりこ)
医師、小児睡眠コンサルタント
たびえもん 1987年生まれ、東京都出身。2012年東京大学医学部卒業。2012年亀田総合病院での初期研修を経て、2014年仙台厚生病院麻酔科、2016年より南相馬市立総合病院麻酔科に勤務。2017年3月に第一子となる男の子を出産。2018年1月にChild Health Laboratoryを設立。現在は、子どもの睡眠や育児に関する情報発信をしながら、夜泣きや寝ぐずりなど睡眠の問題で悩む家庭にアドバイスを行っている。