どうにかこうにか寝かしつけに成功! 自分も少しは睡眠を取らなければと思ったら、1~2時間もしないうちに子どもが起きてしまって、眠れない……。一体いつまで続くの? と自分のほうが泣きたくなるような、子どもの「夜泣き」に関する悩みに、医師・小児睡眠コンサルタントでChild Health Laboratory代表の森田麻里子先生に答えてもらいました。森田先生によると、夜泣きは0~3カ月、4カ月~1歳半、1歳半以降で傾向が違うそう。そもそも、夜泣きとはなんでしょうか? 今回は「夜泣きの基礎編」をお届けします。

就寝から起床までの間に起きて泣く=夜泣き

Q1.夜泣きの定義とは?

 「子どもの睡眠の問題で多いのは、夜泣き、寝ぐずり、朝の早起きの3つです」と森田先生。夜中に赤ちゃんが泣くこと=「夜泣き」だと思いきや、森田先生によれば「そもそも夜泣きには決まった定義があるわけではないのです」とのこと。

 「夜泣きは就寝から起床までの間に起きて泣くというもの、寝ぐずりは寝かしつけをしてもなかなか寝付けず泣いたりぐずったりすること、朝の早起きは早朝4時、5時に起きてしまうこと、と私は考えています」(森田先生、以下カッコ内同)

 確かに寝付きは悪くないけれど夜中に何度も起きて泣いてしまうというタイプの子、なかなか寝なくて抱っこして1時間も歩き回らなければならないという子など、いろんなタイプの睡眠の悩みを抱えるママやパパの話を耳にします。いずれにしても、子どもの睡眠状態には良い影響を与えなさそうだから、どうにか治してあげたいと思ってしまいますが、森田先生は「夜泣きするからといって、必ずしもそれを治さなければいけないわけではありません」と言います。

 「お母さん、お父さんやお子さん自身も十分に睡眠が取れていて、何も困っていなければ、そのままで構いません」

 また生後6カ月ごろまでは夜間も2回程度の授乳・ミルクが必要な子もいますので、その場合は夜泣きということではないと言います。

 一方で、「放っておくと10時間くらい寝てしまうので、夜中に栄養が足りないかなと心配になるくらい」という赤ちゃんもいますが、夜泣きはどんな子どもにも起きるものではないのでしょうか。

 「赤ちゃんにはそれぞれ個性、生まれ持った気質があります。敏感な子、神経質な子など、夜泣きをしやすい傾向の子はいると思います」

「夜泣きするからといって、必ずしもそれを治さなければいけないわけではありません」と森田先生
「夜泣きするからといって、必ずしもそれを治さなければいけないわけではありません」と森田先生