“石炭ミュージアム”のリアル体験で衝撃
帰国後、娘に「ウェールズでもう一度、行きたいところある?」と尋ねるたびに、即答で彼女が答えるのが「ビッグ・ピット!」(Big Pit National Coal Museum of Wales)。1880年から100年の間、実際に使われていた南ウェールズの炭鉱で、Big Pitは“大きな穴”、つまり炭鉱を指す。英国の産業革命に大きく貢献した石炭を知るいい機会かも、という軽い動機で出かけたが、これがとんでもなくインパクトの強い場所だった。
“Underground Tour”が人気、という口コミを見て事前に問い合わせると「予約はできません。先着順で、希望者が多いときには早めに受付を終了します」とのこと。昼過ぎに到着したところ、すでに「受付終了」の看板が立っていたが、念のため聞いてみると「3人だったらちょうど、枠が空いたよ」とのこと。何でも聞いてみるものだ。
待合室へと進むと、そこはディズニーランド?!と錯覚しそうなほどの混みよう。30分ほど待って呼ばれ、万一着火すれば、大爆発が起こるため、スマホはもちろん、カメラや腕時計など電池入りのアイテム一切を預け、ライト付きのヘルメット、バッテリー付きのベルトを装着。実際の炭鉱夫と同じ5キロの装備に身が引き締まるが、子どものほうは大人と同じ装備が嬉しそう。10名程度のグループに分かれ、私たちは元・坑夫のガイドの引率のもと、がっしりとした檻のようなエレベーターで300ヤード(91メートル程度)地下の坑道へと潜った。