「ホテル」と「セルフケータリング」の組み合わせがお勧め

 英国では民家の離れなどを改築したセルフケータリングの物件が多く、他のゲストに気兼ねなく、自由に自炊できる。子連れ旅には大助かりなのだが、息抜きとして、ところどころにホテル泊を組み込むのもお勧めだ。

 私たちが今回、初日に泊まったのはウェールズに入る手前のイングランド、コッツウォルズ地方。ウェールズ北部は山がちであるため、ロンドンからまずウェールズ北部に入ろうとすると、ロンドン~カーディフ間の2時間半~3時間以上に時間がかかり、子どもにも負担がかかると思われたからだ。

 ジョージ王朝時代の貴族の保養地だった町チェルトナムのこの宿「The Bradley(ブラッドレー)」は、貴族の邸宅だったタウンハウスを改築、シック&モダンな内装がいかにもイングランド風。翌日以降のウェールズとのギャップがより際立った。翌朝はローマ時代の水道橋ポントカサステなどを観光しながら、ゆっくりウェールズの西端へ。海辺の断崖絶壁や古代の住居遺跡を見て回り、雄大な山脈(といっても最高峰でも1085メートル)に囲まれたスノードニアで数日滞在。

 南部に移動する際は、ウェールズの首都カーディフに行く前に郊外の町クンブランのホテル、「The Parkway(パークウェイ)」に1泊した。郊外なので大都会のホテルに比べ、建物の造りも流れる空気もゆったりとしており、屋内プールも有り。客室のテラスから広大な裏庭を眺めていると、何匹もの野ウサギたちがひょっこり登場。ピーターラビットの一場面のような光景に親子で見入るうち、英国の長い夏の夜が更けていった。

ロンドンからウェールズに向かう途中で泊まったチェルトナムの宿<a href="https://thebradleyhotel.co.uk/">The Bradley(ブラッドレー)</a>。地元の名門女子高の近くということでその保護者たちが泊まることが多く、邸内は落ち着いたシックな雰囲気。ラウンジで手作りのカップケーキが用意され、一人で切り盛りするマネジャーの女性が紅茶をサーブ。娘は習いたてのチェスを楽しんでいた
ロンドンからウェールズに向かう途中で泊まったチェルトナムの宿The Bradley(ブラッドレー)。地元の名門女子高の近くということでその保護者たちが泊まることが多く、邸内は落ち着いたシックな雰囲気。ラウンジで手作りのカップケーキが用意され、一人で切り盛りするマネジャーの女性が紅茶をサーブ。娘は習いたてのチェスを楽しんでいた
カーディフ郊外クンブランのホテル「The Parkway」。ゆったり、のんびりとした空気が流れ、ファミリー客もリラックスできる
カーディフ郊外クンブランのホテル「The Parkway」。ゆったり、のんびりとした空気が流れ、ファミリー客もリラックスできる

記事の関連リンク

*The Pit  https://museum.wales/bigpit/
*Bodnant Welsh Food Centre   https://www.bodnant-welshfood.co.uk/farm-shop
*The Bradley  https://thebradleyhotel.co.uk/
*Parkway hotel  https://www.parkwayhotelandspa.com/

(文・写真/松島まり乃)