時に迷い、立ち止まりながらも、自分流の働き方や幸せを模索している働くママたち。今回登場してもらうのは、農林水産省でキャリア官僚として働く松尾真奈さん。4歳と0歳の男の子の母で、現在第2子の育休中です。自分らしく働くこと、妊娠・育児への戸惑いといった課題をその都度、夫婦会議、シェアハウス育児、育休期間の自分なりのキャリアアップ……といった工夫によって解決しながら自分らしく走り続けてきたと言います。そんな松尾さんのこれまでの道のり、そして母親としての今の思いについて話してもらいました。

(上)官僚ママ、仕事が何より大事な時期に妊娠分かり戸惑い
(下)シェアハウス育児にもメリット実感 官僚ママの変化 ←今回はココ

◆今回登場するワーママ:松尾真奈さん
年齢:32歳
これまでの仕事:農林水産省キャリア官僚
現職:農林水産省キャリア官僚
住まい:東京都
子ども:4歳と0歳の息子

◆働き方に迷った理由
1年目に激務で体調を崩し休職したものの、その後は迷っていない

◆「わたし流」の働き方をかなえるためにした選択
選んだもの…母としての覚悟を持ちながら働き続けること
諦めたもの…仕事に自分の持つ全リソースをつぎ込むこと

 仕事が楽しくてしょうがない。そんな時期に妊娠が分かり、戸惑いと不安でいっぱいだったという松尾さん。そんな不安もわが子が生まれるとそのかわいさから、自然と消えていったといいます。

育休期間は単なるブランクではなかった

 産後しばらくは育児に明け暮れていたのですが、息子の首も据わり、少し育児が落ち着いてきた頃に、在職中から気になっていた大学院での3週間の短期プログラムがあることを知りました。「今なら受けられる!」と思い、日中息子をシッターさんに預けて参加しました。

 参加したのは農業をテーマとしたプログラムで、多くの学びがありました。久々に大人と議論ができ、生き返る思いがして、育児の疲れも吹き飛びましたが、何より育休期間でも、うまく時間を使えば自分なりのキャリアアップが可能だという発見は大きかったです。普段は夏休みだって、3~4日が関の山という仕事人生において、3週間のプログラムに参加し新しい学びが得られることは、貴重な体験だと実感しました。

 長男の出産から4年後には次男も生まれ、まさに今2回目の育休中なのですが、今回の育休に入る前も夫と夫婦会議を開き、「夫婦のどちらが育休を取るか」「私が取る場合、私が育休期間中にやりたいプランを実現するためにどうすればよいか」といったことを話し合いました。結果的には、育休期間は単なるブランクではないということを長男の育休で学んでいたこともあり、今回も私が育休を取っています。

 ちなみに今回の育休ではコーチングの研修に通っています。これまでも友達や職場の後輩から仕事と育児の両立や夫婦関係、転職について相談を受ける機会があったのですが、その度に、話を聞いたり自分の体験を話したりすることしかできない状況に、あと一歩役に立ちたいという思いを抱えてきました。この機会にこうした壁を破りたいと考え、スキルアップに励んでいるところです。

育休中は色んな事ができるチャンスと、次男を連れて農家を見学する松尾さん
育休中は色んな事ができるチャンスと、次男を連れて農家を見学する松尾さん