時に迷い、立ち止まりながらも、自分流の働き方や幸せを模索している働くママたち。今回登場するのは、総合商社のエネルギー部門で総合職として働くHさんです。Hさんは私立小学校の2年生になる長女と、現在小学校受験の準備を進めている年中の次女、そして高校教師の夫の4人家族です。フルタイムの共働き夫婦という忙しい生活の中で、娘たちの小学校受験や、自分のキャリア設計などをこなすHさんに、仕事に対する思いや両立生活の工夫などについて聞きました。

(前編)育休からの復帰後、会社のデスクで涙があふれた訳とは
(後編)自分の親の年齢考慮し、中学でなく小学校受験を選択 ←今回はココ

◆今回登場するワーママ:Hさん
年齢:37歳
仕事:総合商社総合職(新卒で入社し、転職経験なし)
住まい:東京
子ども:小学校2年生と年中の娘

◆「わたし流」の働き方をかなえるためにした選択
選んだもの…家事や育児のアウトソーシング
諦めたもの…見た目(メイクにこだわっていたのに、今はここに時間と労力を割けないのがさみしいです。そろそろメイクにも力を入れていきたい)

 長女の出産からのフルタイムでの復帰後、3歳差で次女を出産したHさん。その間、高校教師で運動部顧問を担当する夫は帰宅も遅く土日も試合で不在がち。ワンオペの日々を送る中、Hさんの疲れはピークに達し、次第に夫婦仲も悪化。ついにHさんは2人の娘を連れて実家に帰り、自分の収入だけで娘たちを育てていく計画を立てたといいます。

真珠のネックレスを手に夫が現れる

 私が実家に帰った翌日、夫が私を訪ねて実家にやってきました。「夫婦として初心に戻ってやり直していきたい」とパールのネックレスをプレゼントしてくれました。このネックレスはかつて婚約指輪を買った店に行き、用意してくれたとのこと。こうして夫が向き合ってくれたことはうれしかったですね。

 以来話し合いをし、夫は翌年、私の復職に合わせて1年間の育休を取ることになりました。私は夫のおかげでスムーズに2度目の復職をし、夫の育休中は残業も海外出張もこなすことができました。

 夫はしっかり1年間の育休を取ったことで、掃除、洗濯、育児にあけくれクタクタになる毎日の中、貯金が減る不安、キャリアへの不安、そして帰宅後にパートナーから「今日は何してたの?」と聞かれても話すことがないやるせなさなど、私がこれまで味わってきた思いを、しっかり共有することができました。

 その上で、夫が復職するにあたって、復職後の生活を細かくシミュレーションしました。名前のある家事・育児の分担だけでなく、名前のない家事をいかにシェアしていくかまで、しっかり意識できるようになっていた夫。まさに「妻の指示を待ち、手伝う人」ではなく、真の意味で「シェアするパートナー」になってくれたことを実感しました。

 夫は復職後「一人働き方改革」に取り組み、仕事と家庭の両立にも努力してくれています。部活を朝型にシフトし早朝練習にしたり、電車通勤に切り替えて電車内でできる仕事をしたり、土日のどちらかは部活を休んだり……といった具合です。夫も思いっきり仕事ができる環境ではないことで、相当仕事と家庭の両立に悩んではいますが、こうした悩みは、まさに私自身が長女の育休の復職後から今に至るまで抱いていること。今は夫婦でイーブンに同じ悩みを持っていると感じています。

「夫がプレゼントしてくれたパールのネックレスは私たち夫婦のリスタートの象徴ですね」(Hさん)(写真はイメージです)
「夫がプレゼントしてくれたパールのネックレスは私たち夫婦のリスタートの象徴ですね」(Hさん)(写真はイメージです)