離婚によって、働き方を再考することに

 充実していた育児の一方、当時夫婦関係はうまくいかず、娘が1歳過ぎの時に離婚をしました。

 娘と二人で生活をしていくことになり、早急に整えるべきは生活基盤でした。フリーランスの収入だけでは不安定なため、就職活動をしなくてはと考えていた時に、かつて勤めていたダーツライブの元同僚と会う機会がありました。

 近況について話をしていたところ元同僚が「もうダーツライブには未練はない? もし興味があれば応募だけでもしてみたら?」と、もう一度ダーツライブで働くという選択肢を提示してくれたんです。

 生活基盤を取り戻すために、一刻も早く安定した仕事に就きたいと思っていた心に、元同僚の話は響きました。かつてダーツライブに勤めていたころに、産休育休から職場復帰して活躍していた先輩の姿も見ていたので、ダーツライブでなら子育てをしながら働くイメージも持てました。さらに、小さな子どもがいる状態で、何も知らない会社で一からスタートするよりは、勝手の分かっている企業なら、精神的にも安定して働けるのではないかという気持ちが芽生えてきました。自分の勝手で辞めた会社に、再度入社させてもらえるなんて都合の良い話があるかは分かりませんでしたが、ダメ元で再度入社面接を受けました。

 ありがたいことに、何度か面接を重ねた結果、再入社させてもらえることになりました。現在はかつていた部署に所属し、新商品のプロモーションを担当しています。

完全ワンオペ。頼れるのは行政サポート

 仕事自体は、好きな商材のプロモーションということで、以前同様、楽しく前向きに取り組んでいます。ただ、前回と異なるのは、娘がいるということですね。実家も遠方でなかなか頼れないということもあり、毎日の生活は文字通り「ワンオペ」です。

 とはいえ、普段の生活では「シングル家庭だから」ということは意識することなく、普通のワーママと同じ感覚ですが、やはり、仕事と育児ってどんなに会社の制度が整っていて時短勤務などが可能でも歯車が合わなくなる時があるんですよね。

 年度始まりの忙しい時期に、保育園の慣らし保育があるとか、娘が体調不良で保育園に行けない日が続くとか……。幼い娘の体調不良はしょうがないとはいえ、仕事のやりくりは大変です。夫婦でいたら、二人で仕事の調整をして切り抜けるところを、自分の仕事の調整だけでやりくりしなくてはいけません。

 なので、行政の各種制度やベビーシッター事業、ファミリーサポート事業にまんべんなく登録し、地域の力をフル活用しています。逆に、こうした地域の力をフル活用すれば、何とかなるものなんだな、ということも実感しています。

 特に私の場合はプロモーションという仕事柄、年に数回ですが、夜遅くまでかかるイベントに入らなくてはいけない日もあるので、そんなときは区のトワイライトステイやショートステイも活用しています。さすがにお泊まりとなると、最初は「娘にかわいそうなことをしているんじゃないか?」と抵抗もありましたが、迎えに行ったときに娘が楽しそうに過ごしている様子を目にして、ホッとしました。やっぱり預かってくれる保育士さんたちはその道のプロ! さすがだなと感心すると同時に、本当に必要なときは安心して頼ることができています。

 それと日ごろから自分の体調管理には気を遣っています。ただでさえ役所の手続きや娘の病気などで仕事を休まざるをえないことが多いので、とても自分が病気になっている時間はありません(笑)。

 風邪をひきそうかも! という予感がしたら、肩甲骨にカイロを貼って、しょうがや大根など免疫力を高める食材を煮込んだ食事を作り、寝る前と朝に栄養ドリンクを飲んで……とできることを全て行って、全力で阻止しています。

 一方で娘に対しては、親の勝手でひとり親になったことに、ずっと申し訳なく思っています。だから娘には「ママは働いているんだから」とか「疲れているから」というような「言い訳」は絶対に口にしないと決め、どんなときでも、笑顔で向き合うようにしています。