「何とかならないの!もうイヤ!」と親のほうが叫びたくなるイヤイヤ期。「発達においてとても大切な時期」なんてことは百も承知でも、やるせない思いを抱え、いい対処法はないか、と考えてしまうのも無理はありません。

では実際にどうすればいいのか。「親が大前提の考え方を変えるべき」と目からウロコの提案をしている井桁容子さんに、読者のイヤイヤ実例に沿って、具体的に教えてもらいます。また、気になるママとパパの役割分担についても、引き続き、大豆生田啓友さんに聞きました。

先取りして実践した編集部スタッフからは、「イライラが減り、驚くほど気持ちがスーッと軽くなった」「もっと早くに知りたかった……」という声が。絶賛イヤイヤ期を迎えているママ・パパも、「言うことを全然聞かない!わが子はずっとイヤイヤ期だよ」と長期的に悩んでいる方も、ぜひ、お役立てください。

【迷える共働き親を救う「イヤイヤ・反抗期」道しるべ】特集
(1) 子のイヤイヤ共働きのせい?抑え込むとどうなる?
(2) イヤイヤ期を育て急がない 編集部も腹落ち!
(3) 帰宅時や店内で…7つのイヤイヤ悩み 現実解は?←今回はココ
(4) 親の「常識」見直せば思春期はもう怖くない!
(5) イヤイヤ・反抗期の子への怒りは6秒、〇〇して待つ
(6) 反抗期とママの大人思春期 重なるから修羅場に

【読者アンケートで寄せられたイヤイヤ実例の一部】

まず親の側に問題がないか疑問を持つこと

 「イヤイヤで悩んだときは、まず親の側に問題がないか疑問を持つことをおすすめします」。40年以上、保育の現場と研究に関わり、子育て番組などでも活躍する井桁容子さん(非営利団体コドモノミカタ代表理事)は、そんな意外なアドバイスをします。いったいどういうことなのでしょうか。

ケース1 泣きわめく子ども抱えて帰宅

時間に追われているときに、2歳の子にいつもイヤイヤされて困る。おもちゃで遊んでいて「さあ、食事の時間よ」というときや、「パジャマから洋服に着替えるよ」というときに必ずイヤイヤ。「公園でずっと遊ぶ!」と言って聞かないときは、最初は穏やかに話しかけていたけど、夕飯を作る時間がずれ込むと、寝る時間も遅くなってしまうので、気持ちが焦り、ジタバタ暴れながら泣きわめく子ども抱えて帰宅する羽目に。そのたびに自己嫌悪に陥る。

 「親の側を疑ってみる」とはどういう意味でしょうか。「時間通りに家に帰らせること=本当に正しいのかどうか、ということです」。親の主張は正しい気がしますが、井桁さんはこう指摘します。

<次のページからの内容>

● 規則正しい生活ができないより「罪深いこと」って?
● では、しつけはどうすればいいのか問題
● 「受け止める」が「受け流す」になってしまっていない?
● 「何度叱ってもダメ……」。親の言葉が子どもの耳に届かない理由
● 「大人から見ればささいなこと」って、子どもに失礼?
● 「子育てには複数の人が関わったほうがいい」と言われる真の理由
● 大事なのは〇〇の土台を作ること
● 「大きくなってからが父親の出番だ」は大間違い