「育児本通りにしても、全然うまくいかないんですけど!」
「自分の対応が本当に正しいのかいつもモヤモヤしてしまう」
「“いい親”を演じるのに疲れました……」

ただでさえ限られた時間しかないのにイヤイヤされて、すべてがストップ。親の状況はお構いなしに、感情を剥き出しにして挑んでくる――。そんな現実を前にすると、「イヤイヤ期は発達においてとても大切な時期」なんてことは百も承知でも、「何とかならないの!」と叫びたくなります。また、「イヤイヤ期がずっと続いている気がする」「親の言うことを全然聞かない!わが子は365日反抗期だよ」などと悩んでいるママ・パパもいるかもしれません。

時代は変わりました。昭和、平成を経て、子どもを取り巻く環境は大きく変化しています。「現代は、子どもにとって大変な時代」。今回、取材した専門家は口をそろえてこう憂慮します。

今回の特集取材を通し、大前提の考え方自体に大きな落とし穴があり、親たちが不毛な戦いに挑んで疲弊している可能性が浮かび上がってきました。ひきこもりや不登校などの問題とも無縁ではありません。「令和の親」に求められる新しい考え方を探ります。

【迷える共働き親を救う「イヤイヤ・反抗期」道しるべ】特集
(1) 子のイヤイヤ共働きのせい?抑え込むとどうなる?
(2) イヤイヤ期を育て急がない 編集部も腹落ち!←今回はココ
(3) 帰宅時に、店で…7つのイヤイヤ悩み 現実解は?
(4) 親の「常識」見直せば思春期はもう怖くない!
(5) イヤイヤ・反抗期の子への怒りは6秒、〇〇して待つ
(6) 反抗期とママの大人思春期 重なるから修羅場に

編集部員が先取り実践、確かに「腹落ち」した瞬間があった!

 この特集取材で専門家から教えてもらったアドバイスを、子育て中の編集部スタッフで先取り実践してみました。すると、こんな感想が集まって、当の本人たちが驚く事態に。いったいどのようなアドバイスだったのでしょうか。

 未就学児のイヤイヤ期については、次のページからと特集3回目で、そして、小学生以降の思春期については特集4回目で詳しく解説します(3回目、4回目は来週掲載予定)。

新しい時代を生きるのだから、こんな大人になってほしい!

・自分の頭で考えて自分で行動できる人間
・人の気持ちに共感できる人間
・自分の好きなことを見つけられる人間
・時間を忘れて何かに夢中になれる人間
・折れない心を持つ人間
・自分の感情をコントロールできる人間
・助けてほしいときは「助けて」と素直に言える人間

 わが子が大きくなったら、こんな大人になってくれるといい――。そう思ったことがある親は多いでしょう。AIと共生する未来社会において求められる人間像として、一般的によく語られるイメージとも重なります。

 しかし、イヤイヤや反抗への対応を親が間違えると、まったく逆の人間を育ててしまう可能性があると専門家は指摘します。

<次のページからの内容>

● 「AI時代、こんな大人になってほしい!」が対応を間違うと……
● 中高年のひきこもりの「8050問題」も無縁ではない
● 育て急がされた人たちに大きな問題が
● 子どものイヤイヤを「処理」しようとしていませんか
● イヤイヤの対応に正解はあるの?
● イヤイヤ期の親が陥りがちな落とし穴
● 親への不信感が積み重なると……