母親を楽にするシステムを 父親の育児参加は不可欠

 フィンランドでは、妊娠時から子どもの就学前まで、保健師が健診と子育て相談に応じる「ネウボラ」というシステムが、体罰防止に大きく貢献したことが知られています。堀内さんは、ネウボラを通じて、子どもの発達に関する正しい知識が広まったことで「『他の子はできるのに、うちの子はまだできない』という親の焦りが軽減された」と話します。

 さらに同国では近年、「育児に疲れた母親が、父親に子どもを預けて2~3日『母を休む』ことも広く受け入れられています」(堀内さん)。

 母親が「休み」を取れるのも、普段から父親が育児に深く関与しているからだと言えるでしょう。堀内さんによると同国では、男性の8割が育児休暇を取得し、ほぼすべての父親がネウボラを利用しています。親が子育てのため無給で休業する場合、子どもが3歳になるまでは勤め先のポストが確保され、行政から数万円の補助金も支給されるといいます。

 ウルリカさんは、スウェーデンでも育児は父親と母親が半分ずつ担うのが一般的だと説明します。「日本は母親が一人で子育てを担い、子どもがいけないことをすると、母親が悪いとみなされがちです。母親に余分なストレスが多いことも、体罰につながるのではないでしょうか」と話しました。

 また土屋さんは、母親たちに「他人の目を意識しすぎないで」と呼びかけます。

 「他のママから白い目で見られないよう、きれいな食べ方を身に付けさせよう、勉強もきちんとさせよう、などと思うあまり、子どもに余計な負担を掛けている人が多いと感じます。ママ友を無理に作る必要もない。他の親にどう思われようが、気にせず自分の子育てをすればいいと思います」