子どものほうも、住み慣れた地域で同じ学校や保育園に通い続け、友人との付き合いや習い事を続けられます。一時保護所に移ると原則として通学できなくなってしまうため、これは大きなメリットです。

 受け入れた里親は預かりが終わった後も、子どもの見守りを続けるなどして「地域全体で子育てを担う仕組みを作るべきではないでしょうか」(千葉代表理事)。 ただ前出の三日里親の女性は「加害親から子どもを一時的に里親へ移し、その間に関連機関が親を支援する流れは必要だと思います」と認めつつも「自分にこうした子どもたちをうまく受け入れられるかというと…」とためらいも口にします。

 「傷ついた子どものケアは、里親としても受け入れるのに相当な覚悟と技術が必要。研修制度や、困ったときに関係機関に相談できるチーム体制の整備などもしてほしい」と要望しました。

ママ友への情報提供も支援の一つ 自分に何ができるか考えて

 短期の里親になる条件は自治体によって違いますが、研修を受講し「養育里親」として登録した家庭へ託されるケースが多いようです。厚生労働省は年単位の委託だけでなく「数週間~1年以下など、子どもたちのニーズと里親の状況を照らし合わせながらマッチングする」としています。

 「里親にならないまでも、こうした制度があることをママ友などに知らせ、関心を持ってもらうことも支援の一つです。実親と暮らせない子どもたちのために、自分なら何ができるか、ぜひすべての人に考えてもらいたいです」(千葉代表理事)。

(取材・文/有馬知子 イメージ写真/鈴木愛子)