ここるく代表取締役の山下真実です。「託児付きランチサービス『ここるく』」を起業したのが7年前。それまでは投資銀行や金融系コンサルで働いていたので、起業して全くの異業種に飛び込んだわけですが、そこから自社のサービスを良くするために保育について研究し始め、気づけば保育オタクに。オタクの目からこの業界を見ていると、「保育関係者ではない普通のママ・パパには、保育園ごとの特徴や良さが伝わりづらい」というジレンマをとても感じます。

そこで本連載では、異業種から保育の「中の人」になったからこそ得られた独自の視点で、本当に良い保育とは何かを、分かりやすく伝えていきたいと思います。

日常の中に食育が根付く

はぁもにぃ保育園で提供されている給食。野菜をたっぷり使った和食中心の献立で健康にも配慮されている
はぁもにぃ保育園で提供されている給食。野菜をたっぷり使った和食中心の献立で健康にも配慮されている

 共働きママ・パパにとって、子どもの食生活は最重要テーマのひとつ。子どもが健康にすくすくと成長してくれてこそ、安心して働けるというもの。それ故、偏食で栄養バランスが崩れたり、小食で食べさせることに苦労したり、はたまた過食に頭を悩ませたりするなど、子どもの食生活に関しては悩みが尽きません。そこで今回は、食に関する取り組みに強みを持つ東京都板橋区の認可保育園「はぁもにぃ保育園」の、保育を通して子どもの食を整える様子を紹介します。

 保育参観の日。園内には子どもたちが作り上げたかわいい屋台が並び、手作りのお祭りが開催されました。わが子に促されて保護者たちも輪投げやヨーヨー釣りなどの屋台を巡り楽しむ中、ひときわ存在感を示したのが「焼きそば」の屋台。

「焼きそば屋台」でママやパパたちに食べてもらうために焼きそばを作る園児たち。何度も試作を繰り返した自信作。具材にこんにゃくを入れるなどオリジナリティーも発揮(2月に撮影)
「焼きそば屋台」でママやパパたちに食べてもらうために焼きそばを作る園児たち。何度も試作を繰り返した自信作。具材にこんにゃくを入れるなどオリジナリティーも発揮(2月に撮影)

 材料を包丁で切り、熱々のホットプレートを使いながら、お客様(ママ・パパ)に振る舞うための焼きそばを作るという状況に子どもたちはドキドキするかと思いきや、子どもたちは意外にも落ち着いた様子。というのも、この園では「生活」と「食」が密接に関わっており、普段から食を身近に感じながら生活しているからです。

 例えば、3歳児クラス以上になると給食の配膳を子どもたちで行うようになります。小学校の給食当番のように複数人の子どもがお当番さんになり、ごはん係、おかず係、汁物係などに分担しながら3~5歳児の全児童の給食を取り分けます。この園では日常の中に食育が根付いています。一体どのようにして子どもたちの食の知識や経験を育んでいるのか、給食リーダーで栄養士の吹谷友子さんに話を聞きました。

次ページから読める内容

  • 家庭での食に関する親からの悩み相談にも積極的に応じる
  • 弟ががんで早世した経験から、食事にもこだわらずにいられなかった

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