海外未経験の子に「グローバル化」を説いてもピンとこない

 また、多くの親が関心を持っている「グローバル教育」という視点からも、子どもにとって大きなメリットがあると森下さんは指摘します。

 「様々な研究や調査で、子どものときに旅行していたかどうかが、大きくなってから旅行に興味を持つか否かに影響してくることが分かっています。小さなときに旅行していた子どもは、大人になってからも旅に出るんですね。一つの理由として、旅行を通じて体験・感動した記憶が心のなかに残っている、ということもあると思います」

 もう一つの見過ごせない理由として、現実的に「旅に慣れているか」ということが将来、影響してくるのだといいます。

 「特に海外旅行は初めての人にとって、結構面倒くさく感じることが多いのです。数多くの候補から旅先を決めて、日程を決めて、飛行機や宿泊地を決めて、いくらくらいかかるか調べて…。さらに海外旅行自体が未経験だと、空港や現地での動き方、例えばパスポートコントロールは大丈夫?というような、ひとつひとつのことに不安を覚えてしまい『そこまでして行かなくても…』と思ってしまいます。小さいころに、親の後ろに付いてでも経験していれば、なんとなく勘所を押さえていたり、イメージがあったりするので、旅に対しての抵抗感が少なくなります」

 「日本の子どもたちが留学など海外に出て行かない、そもそも海外に行きたいというマインドがない、ということも指摘されていますが、海外に行ったこともない子に海外に興味を持てと言っても、なかなか難しいかもしれません」と森下さん。

 「訪日外国人も増えていて、日本にいて外国人とコミュニケーションを取れる機会もあるかもしれませんが、わざわざ来てくれるような日本に興味を持っている少数の人と、外国に普通に住んでいる大勢の外国人は、そもそも違います。海外に出て行って、異文化が理解できる人になってもらいたい。海外旅行経験があると抵抗感は減っていくと思います」

 皆さんもお子さんと海外旅行をしたくなりましたか? 次回からの特集では、具体的な旅先やプラン、旅を計画するうえでの10のポイントなどをご紹介していきます。お楽しみに!

(取材・文/日経DUAL編集部 砂山絵理子)