育休中に、復職後のキャリア形成に向けてスキルアップや資格取得に励んでいる人が増えています。とはいえ、これから育休に入るママたちの中には「何をすればいいの?」「どうやって学べばいいの?」「そもそも育児と両立できるの?」といった疑問や不安もあるのではないでしょうか。

 そこでこの連載では、育児と学びを両立している人や、育休中にスキルアップを果たした先輩たちのリアルな声をお届けしていきます。今回登場するのは、育休中のママ・パパたちを対象とした勉強会でマネジメントスキルを学んでいるママです。

仕事から離れたことで、キャリアについて冷静に考えるように

 「育休を取得していなければ、マネジメントスキルを深く学ぶ機会はなかったかもしれません」。そう語るのは、2017年9月に男の子を出産し、現在は育休中の小泉友佳子さん。育児と両立しながら、仕事でのスキルアップに向けた勉強に意欲的に取り組んでいます。

 小泉さんが勤めるのは教育系の広告会社。産休・育休を取得するまで人事・労務を担当し、主に社員の労務管理と人材育成に携わっていました。

 「以前は仕事に生かすために何かを学ぶ時間的余裕が全くありませんでした。ただ、業務を通して漠然と自分のスキル不足を実感する日々。妊娠し、出産を控えて産休に入ったのはまさにそんな時期でした」

 第一子ということもあり、産前や出産直後は毎日がいっぱいいっぱいだったそう。けれども、授乳やオムツ替えにも慣れ、育児のリズムがつかめるようになってくると、今のうちに自分を高めるための活動がしたいという気持ちが湧いてきたといいます。

 「仕事を離れたことで、自分のキャリアを冷静に見つめ直すことができたのです。来年春に予定している復職のことだけでなく、将来的にビジネスパーソンとしてどのようなキャリアを歩んでいこうかと考えたときに、まだ体得できていないマネジメントスキルを身に付けたいと思いました

マネジメント思考を学ぶ育休者のための勉強会に参加

 彼女が着目したのは、育休者による育休者のための「育休プチMBA」勉強会(以下、育休プチMBA)と、ワークシフト研究所が提供する「WSIプチMBA」の管理職育成プログラム。出産を機に働き方に制約を受けることになった女性が、マネジメント思考を学ぶことで自己の付加価値をアップさせ、組織に必要とされる人材になることを目指すというものです。

 「育休プチMBAの存在は、人事・労務の仕事に携わっていたころから知っていました。産後、知人がたまたま参加しているという話を聞き、マネジメントを学びたい私にぴったりだと思って、すぐに応募しました」

「育休プチMBA」の様子。赤ちゃん連れで参加している人も多く、泣き声を上げても誰も気にしない
「育休プチMBA」の様子。赤ちゃん連れで参加している人も多く、泣き声を上げても誰も気にしない