幼児期からの英語習得、進学のグローバル化、塾通いをしない伸びやかな教育方針。こういった背景から、小中学校など早い段階で子どもの留学を検討する家庭が増えている。その留学先としてこの数年で注目を集めているのが、「未来教育指数、世界1位」を誇るニュージーランドだ。教育先進国ニュージーランドの魅力は、治安・英語習得・最新デジタル技術による学習・ダイバーシティ環境と多岐にわたる。今回のテーマは「未就学児の親子留学ノウハウ」です。

【ニュージーランド 教育先進国へ留学特集】
第1回 ニュージーランド留学人気 未来教育指数「世界1位」
第2回 ニュージーランド留学「英語・IT・多様性」が魅力
第3回 ニュージーランドで中高留学、寮生活のリアルな声
第4回 ニュージーランド親子留学 未就学児とママの心得 ←今回はココ

 ニュージーランドへの留学について、これまで中高生を対象にしたメリットを伝えてきたが、今回は年齢を下げて保育園など未就学児からの「親子留学」に焦点を当てる。

 前回の記事「ニュージーランドで中高留学、寮生活のリアルな声」にも挙がっていたように、未就学児の留学でも「ダイバーシティ文化」と「英語体験」というメリットは健在だ。ただ、単に英語を早期習得させるために留学している親子は少ないようだ。実際にニュージーランドの乳幼児教育施設に短期留学している親子にインタビューしてみた。

 訪れたのはニュージーランド最大の都市・オークランドから車で1時間半ほどに位置するビーチリゾート地、フィティアンガ(Whitianga)。青く透き通る海と、豊かに茂る森が隣接する自然あふれる都市だ。その森の中に「リバリー乳幼児教育センター(Riverlee Early Learning Centre)」がある。

きれいなビーチと緑豊かな山が隣接した、リッチロケーションのフィティアンガ。

「一斉保育は子どもを伸ばさない。決まった日課は3つだけ」

 大自然に囲まれた園で出迎えてくれたのは、はだしで元気よく遊ぶ子どもたちと、放し飼いにしている犬や子牛。泥だらけになってもおかまいなしで走り回る子ども達が、積極的に園内を案内したり、遊び方について説明してくれたりするのが可愛らしい。

リバリー乳幼児教育センターの園庭。草花、砂場、工具、鳥や犬の飼育小屋など、子ども達にとって魅力的なスペースがたくさん並ぶ。

 一日の活動はどんな様子なのか。リバリーの園長、カースティ・ミラン先生に話を聞いた。

 「私たちリバリーでは、“Home away from home(もうひとつの家庭)”と“Nature Based(自然主義)”、 この2つを教育理念としています。豊かな自然に囲まれた園内では、全天候型教育を実践しています。晴れでも雨でも、とにかく外に出て遊びの時間をたっぷり取る。ニュージーランド教育省が交付している乳幼児教育のナショナルカリキュラムである“テファリキ”に沿って、他人を尊重する・子どもを自然に帰す・座学から動くことへ、を大切にしています」(ミラン先生)

 テファリキとは、ニュージーランドに根付いているポリシーでもあり、もともとの語源は「編み込んだ布地」という意味だ。多様な文化や人種が織りなすダイバーシティを尊重するニュージーランド国民の本質を表す言葉といっていいだろう。

 「リバリーで決まっている日課は3つだけ。モーニングティー、ランチ、アフタヌーンティー。この3つだけです。その他は基本的に、どんな天気でも自然あふれるこの素晴らしい環境で外遊びです。外遊びから子どもたちは全てを学びます。私はこのリバリーを運営する以前、オークランドで18年間、幼児教育の教師をしていました。その18年間で感じたことは、一斉保育は子どもを伸ばさないということです。朝の運動、絵本の読み聞かせの時間、運動やお昼寝の時間などなどたくさんのカリキュラムが組まれている教育方法もありますが、私はそれを変えたくて4年半前にリバリー園の設立準備をスタートしたのです。これまでの幼児教育の経験と挑戦するマインドで、森の中に自然主義の園をゼロから作ってきました」とミラン先生。いまでは川遊び、泥遊び、飼育小屋、そして“もうひとつの家庭”にふさわしい温もりのある屋内ルームが充実しているが、当初はだだっ広い森の一部だったというから驚きだ。リバリーで過ごす子どもたちの特徴を聞いてみた。

雨でも晴れでも自然の中で学べるような工夫がされている園庭。