子育てに自信を持って帰っていくママたちを見てきた

 次に訪れたのは、椰子の木と青空が伸び伸びとした雰囲気をつくっているプリスクール、「カウリ・ラーナーズ」だ。このスクールの特徴は、ファウンダー兼オーナーが日本人であり、教員は現地のニュージーランド人であることだ。ファウンダーの渡辺寿之さんと、園長先生のマキシン・マクロビーさんに親子留学の効果を聞いた。

定員は0歳〜2歳が10名、3歳〜5歳が20名で合計30名。キッチンで手作りする給食とおやつ。マオリのミュージシャンが乳児に歌を聴かせていた。
定員は0歳〜2歳が10名、3歳〜5歳が20名で合計30名。キッチンで手作りする給食とおやつ。マオリのミュージシャンが乳児に歌を聴かせていた。
定員は0歳〜2歳が10名、3歳〜5歳が20名で合計30名。キッチンで手作りする給食とおやつ。マオリのミュージシャンが乳児に歌を聴かせていた。

 「私がまず申し上げたいのは、“英語ありきのザッツ・留学”ではない、親子留学ならではの価値を知ってもらいたいということです」と語る渡辺さん。「2週間や1カ月、海外留学をしたとします。もしそのお子さんがいくつか英単語を話せるようになったからといって、それが最終目的ではない。英語だけを学ぶのなら、他でもできる。そうではなくて、ニュージーランドのいい所であるテファリキの教育理念に基づき、自然をこよなく愛し、ビーチを散歩し、クタクタになるまで外で遊ぶ。しかも多様な人種や言語環境で。日本の生活にはない環境で数週間過ごすだけでも、子育てに自信を持って帰っていくママと子ども達を見てきました。特に日本の都市部では、幼児でも習い事で毎日が埋まっていくような教育スタイルが増えています。“隣の家の子もやっているから”という理由で、親が焦ったりするような幼児教育は反対です。ここでは未就学児や小学生のときから塾に行っているような子はいません。お金を払って塾の先生に委ねておしまい、では育児に自信もなくなるでしょう。そういった早期英語教育の延長線上の親子留学はおすすめしません。英語は初級者でもOK。誰が来てもサポートできる体制がここにはありますから、親も子どもと一緒に挑戦に満ちた一歩を踏み出す、そんなきっかけにしてほしいです」(渡辺さん)

渡辺ファウンダー(左)と、園長のマキシン・マクロビー先生(右)。
渡辺ファウンダー(左)と、園長のマキシン・マクロビー先生(右)。
ニュージーランド教育省が交付しているナショナルカリキュラムである“テファリキ”は、2016年から乳幼児教育のフレームワークとして採用されている。
ニュージーランド教育省が交付しているナショナルカリキュラムである“テファリキ”は、2016年から乳幼児教育のフレームワークとして採用されている。
■Kauri Learners  保育・留学費用

保育料は前出のリバリーと同様、日本初の国際バカロレア認定幼稚園 「サニーサイドインターナショナルスクール」に加盟している園児等については、現地の子どもたちと同じく週20時間までは無料
一般の園児についてはInternational Student Feeが適用される。一般の料金目安は、1日60NZD(約4800円)、Weeklyだと10%割引きになり1週間270NZD(約2万1600円)

週6万円のキッチン付きシェアアパートで、親子で滞在

 さて親子留学を実践するための滞在方法やコストはどのくらいだろうか。「コロマンダルアウトドアランゲージセンター(Coromandel Outdoor Language Centre)」に留学中のNさんに聞いてみた。