「リバリーで育つ子は次の2つの力が強いですね。(1)Resilience レジリエンス=困難に負けない力、忍耐力、回復力。適応能力と創造性が育ちます。次に、(2)リスクテイカーの力。自然や多様な人間を相手に、どうやってできるか? を常に考えて行動します。失敗(リスク)を嫌がらずイマジネーションして乗り越えていく力が強い。私たち教師は、常に“何をしたいのか?”という子どもの気持ちを大切にしています。日本からの子どもたちもウェルカムです。親子留学はお母さん自身にも、お子さんにも、チャンスがたくさんある時間だと思います」(ミラン先生)

「もうひとつの家庭」らしく、キャンドルや手作りの家具が多い園内。
「もうひとつの家庭」らしく、キャンドルや手作りの家具が多い園内。
「もうひとつの家庭」らしく、キャンドルや手作りの家具が多い園内。

 自然主義でありながら、iPadや各種アプリを教師たちが活用しているのも印象的だった。毎日、子どもの外遊びの写真や保育メモ、活動ムービーをiPadで記録し柔軟に利用している。それらの全保育データは小学校に入学するときに、「子どものカルテ」として小学校教師に渡すシステムになっているという。自然保育とデジタルの融合が進む教育現場の1シーンだ。

■Riverlee Early Learning Centre 保育・留学費用

ニュージーランド政府の幼児教育に関する補助制度においては、3歳〜5歳までの子どもに週20時間までの幼児教育無償化を実施している。それを超えた保育については時間単価・低年齢児の料金体系など園により異なる。
日本初の国際バカロレア認定幼稚園「サニーサイドインターナショナルスクール」に加盟している園児等は、現地の子どもたちと同様に週20時間までは無料になるが、一般の園児についてはInternational Student Feeが適用される。一般の料金目安は、1日60NZD(約4800円)、Weeklyだと10%割引きになり1週間270NZD(約2万1600円)

「逆に、英語を詰め込むだけなんて興味がない」

 実際にリバリーに親子留学に来ていた日本人のママ&キッズがいたのでインタビューをしてみた。

ミラン園長先生と一緒に談笑する親子留学中のママとキッズ。
ミラン園長先生と一緒に談笑する親子留学中のママとキッズ。
Hさん(4歳の娘さんと親子留学)の場合

 2週間の予定で親子留学に来ています。娘を預けている間、私自身も英語スクールに通っています。娘はリバリーに通い出してから1週間で英語もぽつぽつ話すようになりましたが、私はそれが目的ではないんです。土が足に付いたりはだしで庭を歩いたりするのを初めは嫌がっていた娘が、今では泥が付いても自然の中で遊ぶことに慣れてきた。自立してきた娘の姿が嬉しいし、これが今回の留学の本当の目的とも言えます。もちろん私たちには日本人のアイデンティティーがありますし、2週間という少しの時間しかありません。でも、少しの時間でも自然やコミュニケーションという本物の経験をするのは娘にとって大きな変化だと思っています。私は詰め込み型の早期教育には、まったく魅力を感じません。自分自身も日本で国際バカロレアスクールの職員(※幼稚園の職員)として働いていますが、娘が幼児期だからこそ詰込み型でない教育環境を与えたい。バランス型教育というんでしょうか。人間性やコミュニケーション力、自分で考える力を基礎として作りたいと思います。そういった力が礎にあれば、その後にどんなランゲージが乗ってきてもOKだと思うんです。順番が大事。詰め込み型の早期英語教育ではない、本物の人間力をつけてもらいたいと思っています。

留学ライフに慣れるのは、大人より子どもの方が早いようだ。
留学ライフに慣れるのは、大人より子どもの方が早いようだ。

ではもう一組の親子留学実践者を紹介する。ビーチにより近い乳幼児教育施設「カウリ・ラーナーズ(Kauri Learners)」の先生や語学学校に通っているママに、親子留学のアドバイスを聞いた。