白人主義に慣れて頑張ることが「留学」だと思っていたが、それは間違いだった

 次にインタビューした生徒は、2人とも中学時代に他の国で留学をしていた経験がある。一言で「留学」といっても国によっての違いや発見もあったようだ。

ニュージーランドは白人至上主義がなくて、アジア人として誇りを持てる

●Kさん

出身地/福岡県

留学期間・ホームステイでの暮らし/現在17歳で高校2年生(YEAR13)。ホームステイではホストファミリーのお父さんお母さんがとても優しく、いい意味で放任でいてくれるので非常に暮らしやすい。僕は先輩たちとのルールの中で暮らすのはたぶんダメなタイプ。放課後も自由に過ごしたいので、ときどき友達を誘ってオークランド市街のショッピングエリアに出かけて楽しい高校生活を送っています。

留学生活の感想/実は僕は、中学1年生のときから2年間、他の国に留学していました。その帰りに旅行がてらニュージーランドに寄ってこの国に魅了されて。ニュージーランドに来て感動したのは、白人至上主義的なところが一切なくて、アジア人として過ごすのが本当にラクだということです。差別区別を感じないのがいい。以前留学していた時は、自分の周りの9割が白人だったので街に出ても学校内でも、結局白人優位なムードを日常的に感じていた。でもそれに慣れて頑張るのが「留学」だと思っていたが、間違いでした。ニュージーランドではポリネシアンも多くて、マオリ文化とアジア文化、多様性が国中に浸透している気がする。こんな場所があったんだと、正直、驚いています。
学問面では、「合格・不合格」でなく、ひとつひとつ内容を見てくれているのがいい。日本の高校にはもう戻りたくない。高校3年生までこちらで留学をして、大学は帰国子女枠で日本のハイレベル大学に入学したいです。英語ができるので日本でそれを活用したい。これから海外の旅行者に向けて日本でもホスピタリティが重要になってくると思うので、そういった分野で働きたいと思っている。

ニュージーランドが「未来教育指数、世界1位」を獲得した理由の一つに、ダイバーシティ文化の浸透の高得点が挙げられる。多様な人種の生徒たちが優劣なくフラットな立場で学ぶ環境がある。
ニュージーランドが「未来教育指数、世界1位」を獲得した理由の一つに、ダイバーシティ文化の浸透の高得点が挙げられる。多様な人種の生徒たちが優劣なくフラットな立場で学ぶ環境がある。
ニュージーランドが「未来教育指数、世界1位」を獲得した理由の一つに、ダイバーシティ文化の浸透の高得点が挙げられる。多様な人種の生徒たちが優劣なくフラットな立場で学ぶ環境がある。

インド人や中国人と一緒に暮らして、将来役に立ちそう!

●Yさん

日本での出身地/福岡県

留学期間・ホームステイでの暮らし/現在17歳で高校2年生(YEAR13)。ホームステイ先には、中国人・インド人の学友がいて一緒に暮らしている。以前は「中国人やインド人って我が強くて、一緒に暮らすなんて無理かも…」と思っていましたが、日本人は自分1人なので、自分の意見もしっかり伝えてなんとかやっています。たまにシャワールームを使った後が大変なコトになっていますが(苦笑)、みんなで掃除しようねとその都度話しています。毎朝と毎夕、ホストシスターが車で20分かけて学校まで送迎してくれているので、とても安全だし安心。本当に恵まれていると思います。

留学生活の感想/宿題は本当に大変ですね。英語で読んで、英語で書いて、英語で伝えて…。留学当初は、学問の内容についていく前に、「語学の壁」があって、もう泣きたい気分でした。でも、ステイ先の友達や、他の留学生友達と一緒に頑張り合って、「宿題した? 遊んでないでやろう!」など声を掛け合っています。特に日本の生徒と違うところは、ニュージーランドの子たちのプレゼンの技術がすごい。色んな材料を使って、自分の考えを女子でも恥ずかしがらず、男子の前でもみんな堂々と発表できる。私のプレゼン技術はまだまだこれからだけれども、英語でプレゼンできたら将来役に立つだろうなぁと思ってキツイけれど毎日頑張っています! 将来の進路は、日本の大学で学位を取って、世界で活躍できるグローバルな仕事に就きたいです。

生徒たちは放課後に市街地に出かけてショッピングや散歩をすることも。
生徒たちは放課後に市街地に出かけてショッピングや散歩をすることも。
生徒たちは放課後に市街地に出かけてショッピングや散歩をすることも。
部活動も盛んだ。ニュージーランドといえばラグビーの強豪国として有名だが、その他のスポーツも人気。
部活動も盛んだ。ニュージーランドといえばラグビーの強豪国として有名だが、その他のスポーツも人気。

 留学生活には厳しさと楽しさが共存するものだが、生徒自身が「この経験や学問はきっと将来役に立つだろう」と自覚して頑張っていることが印象的だった。また、留学を「劣等感」でなく「肯定感」を得る経験にすることが非常に大切で、それはニュージーランドのダイバーシティ文化がもたらしていることが分かった。

 さて次は、気になる留学費用を調べてみよう。