時間の制約が大きい共働きママとパパ向けに最新の時間管理のテクニックをご紹介してきた本特集もいよいよ終盤。6回目の今回は、視点を変え、社内に潜むムダな業務を削減して、社員一人ひとりの生産性をアップするために「会社として取り組むべきこと」とそのポイントを解説します。社内の働き方改革関連の担当者はもちろん、「自分の職場を何とか変えたい」と思っている人もぜひお読みください。会社や上司への働きかけのヒントがきっと見つかるはずです。

【「時間がない!」といつも叫んでいる人に贈る 仕事スキル実践法】
(1) 「仕事が時間内に収まらない」 共働き親のモヤモヤ
(2) 3人の共働き親の時短術 達人が改善アドバイス
(3) ECC取締役が時間テク伝授 パパママ現場リーダーへ
(4) 「超集中術」で育児疲れから仕事モードへ切り替える
(5) 「一生働くキャリア」をつくる共働き親の時間術
(6) 社員を消耗させる「ムダ時間」、撲滅の方法は? ←今回はココ
(7) フジッコが2年越しの時短大作戦を展開 効果は?

メスを入れるべきは「社内会議」「外部商談」「資料作成」の3つ

 仕事の生産性を上げるためには、個人の努力だけでは限界があります。非効率な仕事のやり方を社員に押し付けている職場には、そこかしこにムダが潜み、一人ひとりの時短が進まず、全員が疲弊してパフォーマンスが上がらない、という悪循環を生む原因に。逆を言えば、会社や上司が音頭を取り、ムダな業務を省いていく方向で制度化や仕組み化を進めれば、それだけで会社全体の生産性は一気にアップし、社員の幸せ度は大きく向上します。「ムダ時間」撲滅は、今や企業の責務と言っても過言ではないでしょう。

 とはいえ、古くからの風習や価値観が色濃く残る職場で、「何もかも変えなければ!」と一度に複数の制度や仕組みを導入しようとしても、社員の反発を招くだけ。新しい仕事のやり方を定着させるためには、「ポイントを絞って取り組むこと」が大切です。

 マーケティングコンサルタントで、『一流の人はなぜ、A3ノートを使うのか? すべてを“紙1枚”にまとめる仕事術』(学研パブリッシング)、『ムダゼロ会議術』(日経BP)などの著書もある横田伊佐男さんは、「多くのビジネスパーソンは、1日の仕事時間の中で『社内会議』『外部商談』『資料作成』の3つに7~8割の時間を割いている」と指摘します。そうした長い時間を費やしている業務からてこ入れしていけば、大きな時間の余裕につながるはず。まずはこの3点に絞り、メスを入れていきましょう。横田さんに、具体的な改善ポイントをアドバイスしていただきました。

<次のページからの内容>

● 会議の冒頭で提示したい「問い」 具体例は?
● 会議は大きく3種類。そのうち5割を占める「実は集まる必要のない会議」とは?
● 聖域とされがちな商談の時間を削減する「半分ノート」 使い方は?
● 時短の意識を社員に浸透させるには? 北海道電力の事例を紹介 ほか