人生100年時代といわれるなか、子どもにかかった教育費のリカバリーやお金に困らない人生後半のため、今後は子育てを終えても「現役でバリバリ働く」のがマストという人も多いかもしれません。 気の遠くなるような話かもしれませんが、果たして50年先まで自分の好きに向き合い、「社会の役に立てる自分」であり続けるには、どのような今を過ごすべきなのでしょう?

人材サービス会社Warisで、離職女性の再就職を支援する事業の統括やフリーランス女性と企業のマッチング事業を手掛ける小崎亜依子さんは、「一生働くキャリアを築いていくには、自分の成長につながる『投資時間』を最優先しましょう」と語ります。今回は、50年先を見据えた投資時間をいかにして作るか、そうしてできた投資時間をどのようなに使っていくのかについて、たっぷりお話をお聞きしました!

【「時間がない!」といつも叫んでいる人に贈る 仕事スキル実践法】
(1) 「仕事が時間内に収まらない」 共働き親のモヤモヤ
(2) 3人の共働き親の時短術 達人が改善アドバイス
(3) ECC取締役が時間テク伝授 パパママ現場リーダーへ
(4) 「超集中術」で育児疲れから仕事モードへ切り替える
(5) 「一生働くキャリア」はこう作る!共働き親の時間術 ←今回はココ
(6) 社員を消耗させる「ムダ時間」、撲滅の方法は?
(7) フジッコが2年越しの時短大作戦を展開 効果は?

仕事の幅を広げるには、「キャリアビジョンありきの投資時間」が必要

 突然ですが、あなたは10年後も今と同じ仕事を続けていると思いますか?

 加速度的に変化する社会のありようを肌で感じずにはいられない昨今。私たちが一生社会の役に立てる人間であり続けるために必要な心掛けとは、一体、どのようなものなのでしょうか?

2019年5月17日に開催したWOMAN EXPO TOKYO 2019、「日経xwomanアカデミー」で講演するワリスの小崎亜依子さん
2019年5月17日に開催したWOMAN EXPO TOKYO 2019、「日経xwomanアカデミー」で講演するワリスの小崎亜依子さん

 「これまでのコンフォートゾーンを出て、仕事の幅を広げていく必要があると思います。コンフォートゾーンとは、その中にいれば『安心』であり、逆に、一歩でも外に出ると『不安』を感じる『心の安全地帯』のこと。子育てと仕事の両立でめまぐるしい毎日を送っていると、ついコンフォートゾーンに安座してしまいたくなります。しかし、数十年後も長く働き続けるには、今からコンフォートゾーンを出て、『仕事の幅を広げる』ことに目を向けていかなければなりません

 そう話すのは、人材サービス会社Warisでフリーランス女性の活躍を支援したり、女性の再就職を支援したりする事業を統括する小崎亜依子さんです。

 「仕事の幅を広げていくには、明確なキャリアビジョンが必要です。キャリアビジョンがあると時間に対する意識が変わります。例えば、フリーランスの方であれば、条件が合わなくてもスキルアップのために仕事を受けるという選択肢が生まれたり、会社員でも、業務のなかでキラッと光る未来につながりそうな案件を見分けられるようになったり。そうした意識で仕事に向き合う時間は、まさに『投資時間』。限られた時間の中で、『投資時間』の割合を増やしていくことは、長い時間軸で見ると無駄なものがそぎ落とされ、相当な時短になるのではないでしょうか」

 実は、小崎さん自身、30代前半には仕事と子育ての両立がうまくいかず、終わらないタスクを前に「挫折」や「失敗」を経験してきたといいます。そんな小崎さんが、どのようにして限られた時間の中で「投資時間」を確保し、仕事の幅を広げてこられたのでしょうか? 

 次のページからは、忙しいなかでも「投資時間」を確保するノウハウ、仕事の幅を広げる投資時間の活用術、まだ具体的なキャリアビジョンがない人の「仕事の広げ方」をご紹介します。

<次のページからの内容>

● 長く働くのに欠かせない「モチベーションの維持」で大切なこと
● 限られた仕事時間のなかで「投資時間」を確保する方法
● まじめに頑張り過ぎて健康を害する前に知っておきたいこと
● 未来の仕事の幅を広げる、「情報収集」と「人脈づくり」ノウハウ
● 時短を叶える「海外のまとめサイト」と「情報収集ツール」
● ビジネスライクではない人脈の広げ方
● キャリアビジョンがない人でも、「仕事の幅」を広げられる方法