時間術と聞くと、テキパキ仕事を片付け、働く時間をギュッと凝縮するイメージがつきものです。しかし、共働きの親の場合、そもそも「それはやるべきことなのか?」という取捨選択の視点も必要不可欠です。

時間の制約がある中でも成果を出している人は、何を優先して、何を削っているのか。今回は、3人の共働きママやパパに密着し、それぞれの時間の使い方を取材。生産性をより一層アップさせるための専門家のアドバイスを交えてご紹介します!

【「時間がない」といつも叫んでいる人に贈る、仕事スキル実践法 特集】
(1) 「仕事が時間内に収まらない」 共働き親のモヤモヤ
(2) 3人の共働き親の時短術 達人が改善アドバイス ←今回はココ
(3) ECC取締役が時間テク伝授 パパママ現場リーダーへ
(4) 「超集中術」で育児疲れから仕事モードへ切り替える
(5) 「一生働くキャリア」はこう作る!共働き親の時間術
(6) 社員を消耗させる「ムダ時間」、撲滅の方法は?
(7) フジッコが2年越しの時短大作戦を展開 効果は?

2児のワーママ、あえて作る「隙間時間」で週10冊を読破

テックファームホールディングで内部監査室とコーポレートコミュニケーション室を兼務する古本奈緒子さん
テックファームホールディングで内部監査室とコーポレートコミュニケーション室を兼務する古本奈緒子さん

 小3と年中男子のママである古本奈緒子さんは、事業会社であるソフトウェア開発のテックファームで営業として働いた後、ソフトウェア開発事業と自社ソリューション事業を統括するテックファームホールディングスに転籍。現在は内部監査室とコーポレートコミュニケーション室を兼務している。

 監査法人との窓口役として、グループ企業の経理や財務関連の書類に不備や不正はないか、社内で不正につながる動きがないかを調査して、ヒアリング内容を調査報告書にまとめたり、問題がある場合は改善提案を行ったりしている。SNSによる社内向け広報も古本さんの担当だ。

 そんな古本さんがすごいのは、2児を育てるワーママでありながら、週に10冊も本を読んでいるということ。あえて隙間時間を作り、幅広いジャンルの本を読んでインプットを増やすことが、結局は仕事における生産性アップにもつながっているという。

 時間のムダを省き、隙間時間まで作り出している古本さんだが、「相手あっての仕事」に関してはまだ改善の余地があり、生産性をもっと高めたいと考えているという。そんな古本さんが実践している時間マネジメントの手法と、より一層の生産性アップを実現するための専門家のアドバイスを次ページから紹介する。まずは、古本さんの「ある日のタイムジュール」に目を向けてみよう。

<次のページからの内容>

● 相手あっての仕事をスムーズに進めるには?
● 2児のパパ。あえて積極的に休憩をとり生産性アップ
● トヨタ式の簡潔にまとめる技術で、ITリテラシーの溝を埋める
● フリーランスママ、子どもの通院という制約の乗り越え方
● いかにしてデジタルを使いこなすかがカギに
● 生産性アップの秘訣は、「無駄に焦らない状況を作る」こと