時間マネジメントは「減らすこと」と「増やすこと」をセットで考える

 また、時間マネジメントは、「減らすべきこと」だけに目を向けるのでなく、「増やすべきことは何か」をセットで考えるべき、と伊庭さんは言います。

 「ムダな作業を減らした分の時間で、相手の期待を超えるためのひと手間を増やす、といった意識でやっていけば、周囲の協力も得られやすくなり、成果を出しやすくなります」と伊庭さんは言います。(詳細は、4本目記事「「超集中術」で育児疲れから仕事モードへ切り替える」で紹介)

 ECC取締役の塚田さんも、「子育て中で忙しい人ほど、プラスアルファの気配りを心がけるべき」と言います。2人の子どもを育ててきた塚田さんが、自分自身も実践し、今も、子育て中の部下たちにアドバイスしているのは、「自分に余裕があるときは周囲の人のサポートをすべき」ということ。「子育て中ではない人でも、もしかして相手は、ちょっと体調が悪かったり、恋人や家族とのことで心配事を抱えていて早く帰りたいと思っているかもしれません。一人ひとりに事情があることを想像したうえで、自分ができるサポートは積極的にすることで、いざ、自分の子どもが急に熱を出したりした時に、気持ちよく手助けしてもらえるはずです」と言います。

 「時間がない!」を味方につけるための具体的な仕事スキルは、次回記事から紹介していきます。ぜひご期待ください!

取材・文/蓬莱明子 取材/武末明子 イメージ写真/鈴木愛子

塚田訓子(つかだ・くにこ)さん
塚田訓子(つかだ・くにこ)さん ECC取締役 ジュニア事業部長。専業主婦を経て1995年にECCに入社。2人の娘を育てながらセンター責任者やエリアマネージャー、東日本管区長を務める。2016年から現職。
横田伊佐男(よこた・いさお)さん
横田伊佐男(よこた・いさお)さん CRMダイレクト代表取締役。シティグループ、ベネッセグループでマーケティング部門、コンサルティング部門の責任者を歴任。100社を超える大手企業でのコンサルティング経験を体系化し、2008年に独立。セミナー活動も積極的に行い、これまでの受講者は延べ3万人を超える。横浜国立大学客員講師、横浜国立大学成長戦略研究センター研究員。『一流の人はなぜ、A3ノートを使うのか?』(学研パブリッシング)、『ムダゼロ会議術』(日経BP社)など著書多数。
伊庭正康(いば・まさやす)さん
伊庭正康(いば・まさやす)さん らしさラボ代表取締役。1969年生まれ。91年リクルートグループ入社。“残業レス”の仕事術でリクルートの全国年間営業成績トップを4回、累計40回以上の表彰を受ける。営業部長、関連会社の代表取締役を歴任後、2011年「らしさラボ」を設立。短時間で圧倒的な成果を出すことをテーマとした営業力強化、リーダーシップ、ストレス対策の研修・講演・コーチングを実施。『計算ずくで目標達成する本』(すばる舎)、『仕事の速い人が絶対やらない段取りの仕方』(日本実業出版社)など著書多数。https://www.rasisalab.com/