働き盛りのDUAL世代のパパやママの中には、プレイングマネジャーや現場リーダーとして、チームを仕切る立場の人も少なくないはず。ただでさえ時間の制約がある中で、リーダーとして十分な量と質の仕事をこなし、さらにメンバーたちの時間も上手にマネジメントしながら成果を上げていくためには、抜本的な意識改革が必要です。

そこで、2人の子どもの母であり、子育て中の部下も数多く抱えるECCの「イクボス」塚田訓子取締役に、自身も現場リーダー時代から心がけ、着実な成果につなげてきた時間管理テクニックを教えていただきました。「やってもやっても仕事が終わらない」「時間内に仕事が収まらない」と悩む現場リーダーの皆さん、ぜひ実践してみてください!

【「時間がない」といつも叫んでいる人に贈る 仕事スキル実践法】
(1) 「仕事が時間内に収まらない」 共働き親のモヤモヤ
(2) 3人の共働き親の時短術 達人が改善アドバイス
(3) ECC取締役が時間テク伝授 パパママ現場リーダーへ ←今回はココ
(4) 「超集中術」で育児疲れから仕事モードへ切り替える
(5) 「一生働くキャリア」はこう作る!共働き親の時間術
(6) 社員を消耗させる「ムダ時間」、撲滅の方法は?
(7) フジッコが2年越しの時短大作戦を展開 効果は?

仕事に着手するときには、毎回手順を考える

メッセージ 1 「あなたの時間はまだ増やせます」

 子育て中で時間の制約のあるパパやママは、時間管理の方法について様々な試行錯誤を経て、自分なりのやり方を確立している人がほとんどではないでしょうか。そのため、「これ以上スピードアップしたり、効率化したりする余地はない」と思っているかもしれませんが、ECC取締役でジュニア事業部長の塚田訓子さんは「時間はまだ増やせます」と言います。

 「ベテランになるほど、今までのやり方を踏襲しがちですが、10年前と今とでは働く環境も仕事の内容も、ツールも大きく変わっています。ITの進化もどんどん進んでいるのに、仕事のやり方が何年間も変わらないのはおかしいですよね」(塚田さん)

時間の制約のあるパパやママが、リーダーとして十分な量と質の仕事をこなし、さらにメンバーたちの時間も上手にマネジメントしながら成果を上げていくために心がけるべきことは?
時間の制約のあるパパやママが、リーダーとして十分な量と質の仕事をこなし、さらにメンバーたちの時間も上手にマネジメントしながら成果を上げていくために心がけるべきことは?

 「これが慣例だから」「今までこうやってきたんだから」という固定観念にとらわれていることに気が付いてないことも多いと言います。だからこそ、まずは、その固定観念を捨て、仕事に着手する際には毎回、どのように進めるべきか、5分だけでも立ち止まって考えてから取り掛かる癖を付けておくといいと、塚田さんは話します。

 「10人が一斉に作業をするより、1人の監督と9人の作業者がいたほうが仕事が早く終わると聞いたことがあります。例えば、何かを袋詰めするような単純作業でも、いつ誰が仕分けて、誰がどのように詰めるかを先に考えて取り組むだけで効率化につながります。自分一人で作業するときもそうです。まずはゼロベースで、手順を頭の中で組み立て、5分でも仕事の時間を短縮できないかを考えることが必要です」(塚田さん)。

 一つひとつの仕事を見直し、5分、10分といった短い時間の短縮を着実に積み重ねて、大きな時間の余裕につなげていきましょう。

 次ページから、塚田さんが現場リーダー時代から心がけ、着実な成果につなげてきた具体的な時間管理テクニックを紹介していきます。

<次のページからの内容>

● 時間が読めない「人の仕事のチェック&手直し」対策は?
● 新しい仕事に着手する際は経過時間を計測
● 長期の仕事は1時間単位で進捗の把握を
● 時間を味方に付けるには「人を味方に付ける」が不可欠
● いざという時に助けてもらえる人間関係の築き方
● 先送りしがちな長期プロジェクトを確実に前に進めるには?
● 「共有」を最優先事項にする ほか