産後の心と体はとてもデリケートです。里帰り出産で実家に帰っても、母親との関係がうまくいかなかったり、夫が疎遠になってしまったりすると「産後うつ」になってしまう可能性があります。昔とは違ってイマドキ夫婦の産後の過ごし方はさまざまですから、今回は、赤ちゃんとママの健康を最優先に考えつつ、産後を上手に過ごすための3つのパターンをご紹介します。

産じょく期の心構えは、基本は「夫婦で乗り切る!」

 前回の記事では、里帰り出産をお勧めしない理由についてお話しました。とはいえ、産じょく期(分娩後6~8週間)の養生を怠ると、育児不安や心身バランスの崩れによる「産後クライシス」「産後うつ」などを引き起こしかねません。そうならないためには、誰かの手を借りて、産後の体をしっかり休めるようにしておかなければなりません。

 NPO法人孫育て・ニッポン理事長であり、「3・3産後サポートプロジェクトリーダー」でもある棒田明子さんは、「基本的に、生まれてくる赤ちゃんは夫婦が面倒を見るもの。主役は、あくまでもパパとママ」だと言います。

 「ただし、産後のママは心身ともに疲れていますし、今後の子育てにおける不安もあるでしょうから、夫婦2人だけで乗り切るのは至難の業です。足りない部分は、身内や外部サポートによって補うようにしましょう」

 身内のサポートは、実母以外の義親ということもあるでしょう。もしも料理や掃除だけをしてもらいたいのなら、ヘルパーなどの自治体の外部サービスを利用する方法もあります。いずれにしろ、自分にとって理想的な産後ケアとはどんなものか、それを実現するにはどうすればいいのかを、妊娠初期の段階からきちんと考えておくことが大切です。

 次のページからは、棒田さんが考える「お勧めの産じょく期の過ごし方A、B、C」をご紹介します。

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