出産年齢が高くなると、おのずと引き上がる「ばあばの年齢」。人生100年時代となり、孫ができても働き続ける親世代も急増しています。そんな中、「娘の里帰り」を負担に感じている親世代の本音をご存じですか? 娘の立場からすると「かわいい孫との時間を楽しんで」という気持ちもあるとは思いますが、実際のところ、その労働&金銭的負担はいかほどなのでしょうか?

今回の連載では、これまであまり語られてこなかった「娘や孫と関わるばあばの本音」について、ばあばを代表してライターの井上真花さんに語っていただきます。第一回のテーマは、「娘の里帰り出産」です。

軽い気持ちで「里帰り出産」を選んだのが、すべての始まりだった

 「床上げ3週間」といわれているように、出産後の母体は大きなダメージを受けています。昔から日本の女性たちは、産後6〜8週間の「産褥(さんじょく)期」に、妊娠・出産によって変化したカラダをゆっくり戻そうと、できるだけ横になって体を休めてきました。

 そこで浮上するのが、「里帰り出産にする? それとも家で過ごす?」の二択です。自分や家族の食事の支度、洗濯、掃除などの家事、上の子がいれば、その子の送迎や面倒を肩代わりしてくれる存在として、実母、または義父母を頼ることになります。しかし、受け入れる側にどんな負担があるのかまでは、あまり考えが及ばないかもしれません。

 うちの娘は、2018年4月に2人目の子どもを出産し、現在、1歳と3歳の子どもがいます。初めての里帰り出産は3年前。2カ月間、娘はわが家で過ごすことになりました。当時の私は、自宅で仕事をしていましたが、「以前は同居していた娘なんだし、何とかなるだろう」と気軽に考えていました。

 ところが、それが甘かった! 出産のあとは急激に「やること」が増えます。子どもが家を出てからの夫婦2人での生活はなんと楽だったことか。料理や洗濯、掃除にもすっかり手間がかからなくなり、それだけに、娘の里帰り出産はよりヘビーに感じたのです。

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