家事なんてどうとでもなる。まずは大事にするものを決める

 「2人目出産時さえ、長男を夫に託して自分でタクシーを呼んで、1人で入院したくらいだったのですが、退院して家に戻ってみると想像以上に大変な日々が待っていました」

 第2子である長女は12月生まれで、ちょうど新型インフルエンザの流行が騒がれていたころ。

 「でも長男はまだ2歳。退院からほどなくして、外に遊びに行きたいというので出かけたのですが、帽子を忘れたことに気づいて家に戻ったんですね」

 玄関から家に入った瞬間、ふと鏡に目を向けたら、「すごい怖い顔をしていたんです」と山田さん。「怒っていないのに眉間にはしわが入っている! こんな顔をして育児や家事をしていてはダメだ! と。どれほど頑張っても、完璧にはできないことにも気が付きました」

 そこで山田さん、「家事なんてどうとでもなる。まずは大事にするものを決めよう」と考えるように。「1日は24時間しかありませんから、どう工夫してもできる量には限界があるんです。だったら、大事にするものを決めて、その一番上ができていれば良しとしようと考えるようになりました」

「自分がイライラする時間を解消する」ために家事をやめる

 山田さんが「やめる」家事を見つけるうえでポイントになったのが、「自分がイライラする時間を解消する」という考え方だ。

 「私は子どもを早く寝かせたいと思っているのですが、その時間が遅れることがプレッシャーで、夕方になるとイライラしてきてしまうということが分かりました。カフェを始めてからは時間が後ろにずれてしまうこともありました。夕飯のスタートが遅くなるとその後がすべて遅くなる。だから、夕飯スタートを早くすることだけを心掛けました」

 ただし、山田さんはどちらかというと料理が好きなほうだったため、お肉でも鶏肉、豚肉、牛肉を使った料理をバランスよく出すようにしようとか、魚料理を作ろうとか、野菜もたっぷり取らなければなどと、こだわっていた。しかし日々の仕事、育児の中で理想通りの食事が用意できず、「お母さんなのに、ちゃんとごはんを作れないなんて!」というストレスを抱えていた。一時は「作り置き」にも挑戦したが、そのために週末に大量の買い出しをしてキッチンにこもり、何品もの作り置きをするせいで週末が丸つぶれ…ということにもストレスを感じるように。結局8年試行錯誤し、「すぐにごはんの準備ができる3つの方法」を編み出した。