共働き家庭にとって大きなストレスになり得る家事を見直し、家族時間をよりよいものにしていくために、「家事負担」の軽減のヒントをプロフェッショナルの皆さんに伺っていく連載。前回は料理家・おもてなしプランナーの高木ゑみさんに「家事を“ついで”にする理由」についてお話を聞きました。

 最終回となる今回は、完璧主義だった高木さんの片付け方法について、そして「家事は大したことがない」と思えるようになったきっかけについてお届けします。

「取りあえずボックス」で片付け上手に。お掃除ロボットも活用

 高木さんにとって、家の中がきれいかどうかを判断するポイントは、まず目に見える部分が乱雑になっておらず、すっきりと片付いていること。次にほこりがないことだという。

 前者は折り畳める「取りあえずボックス」を用意することで解決しているそう。

 「例えば床に子どものものでも自分のものでも広げてしまって散らかった状態になるときがありますよね。さらに、テーブルに子どものワークブックや自分の仕事の書類などが出しっ放しになっていることもある。そういうときは、場所ごとに『取りあえずボックス』を用意して、出ていて嫌だなと思うものをワーッと入れてしまうんです。すると、部屋がいったんすっきりした状態になります」

 ボックスの中身は、その後、音楽を聴きながらボンボン元の位置に戻していく。いったん部屋が片付いているから、どこに何をしまうか行動しやすくなり、気持ちよく片付けられるという。「ポイントはボックスに入れっ放しにせず、必ずすぐに元の場所に戻すという行動をセットにすること」と高木さん。

 またほこりについては、ある程度ロボット掃除機で解決。床がフローリングなら床拭きロボットとのダブル使いで、はだしで歩いても気持ちいい状態を保つという。

 「家の中の平坦な場所は、機械に頼ればいいんです。機械に頼った分、階段の拭き掃除、窓拭きをする時間もできます」

 掃除も片付けも、完璧でなくていいという高木さんだが、子どもが生まれるまで完璧主義で、できていないと心の負担になるタイプだったそう。

 しかし今は、「『家事は大したことがないこと』だと思えるようになっています」という。

「家の中の平坦な場所は、お掃除ロボットに頼ります」と高木さん
「家の中の平坦な場所は、お掃除ロボットに頼ります」と高木さん