トイレを出る前30秒で“ついで”掃除

 トイレ掃除も同様だ。「自分が入った後の30秒、“ついで”にきれいにすればいいと思っていて。仕事から帰ってきた後、5回くらいトイレに行くとしたら、1回目は、便器の中をきれいにする。2回目は便器の脇。3回目は床など、1度ですべてきれいにするのではなく、毎回どこかをきれいにするようにしています。1回1回は30秒ぐらいずつのことだから、全然苦にもなりません」

 確かに溜めてしまうと大仕事になってしまうが、30秒ずつなら「まあこれくらいなら」と気楽にできそうだ。しかも毎日きれいにするから、汚れもたまらないので毎回の掃除もラク。

 こうした“ついで掃除”の積み重ねによって、高木さんは基本的に大掃除の時間を取ったことがないのだそう。

 「汚れは溜めると余計に掃除に時間がかかりますよね。何より心の負担も大きくなりますし、私はそれが一番いやだと思っていて。血眼になって“これはやらなきゃいけないことだ!”と思うことがある状態では、何をしていても楽しめなくなります」

意識的に考える時間を持ち、それを解決する

 自分が面倒だな、嫌だなと感じるようになる前に動く。家事においては特に、それを常に意識的にするようにしているのだと高木さん。

 「自分が何に対して面倒だな、嫌だなと感じるのかを意識的に考える時間を持ち、それを解決するようにしてきています」

 例えばある日は“玄関周りで、何かが面倒だと感じているな”と思ったらそれについて考えてみる。そこで、ごみを出すときに面倒さを感じていることに気づく。「今住んでいるエリアでは、ごみを出すときには、外から見えないような袋に入れて、それをひもで縛ってはさみで切って、玄関の外に置いています。でも引っ越してきた当初はゴミ袋をキッチンから持ってきて、縛るためのひもを持ってきて、はさみをどこかから持ってきて……とそれぞれの道具を用意するのにひと手間あったわけです。そこで、はさみ・ひも・外から見えないゴミ袋のセットを玄関に置くようにしたら、流れがスムーズになりました」

 毎日、こうした“意識的に考える時間を持ち、それを解決する”ことの連続だという。