「子どものイヤイヤ期」について、ツイッターが大人気の保育士「てぃ先生」に聞く連載の3回目。イヤイヤ期にまつわる悩みを抱えるママ・パパは多いですが、「イヤイヤ期らしいものがなくて心配」「好きなものへのこだわりが強すぎて気がかり」と、わが子のイヤイヤ期がほかの子と違うのではないかという不安を抱えている人もいるようです。今回は個別のケースについて、てぃ先生に答えてもらいます!

「イヤイヤ」の表れ方は子どもによってそれぞれ違う

イヤイヤ期がなかった3歳半の娘、これで大丈夫?
 3歳半になる娘は、これまで何かに対して『イヤ』と言ったことや泣きわめいたこともなく、どうやらイヤイヤ期がなかった様子。穏やかでおとなしい子だとは思いますが、その半面、喜怒哀楽が薄く、感情に乏しい子なのではないかと心配です。

 イヤイヤ期は発達において通るべき段階なので、個人的には「ない子はいない」と思っています。ただ程度の差はあり、激しく態度で示す子もいれば、「イヤ」と思っていても表に出にくい子もいます。後者の場合、表面化しないために親が気づかなかったという可能性があります。

 例えば「イヤだ」と口にしなかったとしても、「保育園の帰りに靴を履くのがやたらと遅かった」といった形でイヤイヤを表現している場合もありますので、一般化して考えるのではなく、子どもをよく観察して「ウチの子のイヤイヤはこれだ」というのを見つけてあげるといいでしょう。

口に出して反抗することがなかったとしても、「保育園の帰りに靴を履くのがやたらと遅かった」といった形でイヤイヤを表現しているの場合もあるのです
口に出して反抗することがなかったとしても、「保育園の帰りに靴を履くのがやたらと遅かった」といった形でイヤイヤを表現しているの場合もあるのです

イヤイヤ期に突入する時期にも個人差がある

 また、イヤイヤ期に突入する時期は、個人差があります。自我の芽生えによって訪れるものなので、1歳児クラスの早い段階で出てくる子もいれば、2歳児クラスの後半になって出てくる子もいるでしょう。自我の芽生えは発達が早い、遅いということとは全く別です。

 ただ、いくら遅いといっても限度があります。「3歳児クラスまでおとなしい穏やかな子だったのに、4歳児クラスになって下の子が生まれたら突然イヤイヤ期がスタート。それだけでなく、とにかく口が達者になり、1日中しゃべっています」と話すママがいましたが、もうすぐ5歳になるという子の場合、さすがにイヤイヤ期が遅れてやってきたということはなさそう。

 この場合、下の子に手がかかり出した親の気を引くために、自分をアピールしなければと考えたのかもしれません。さらに、きっかけは大人の気を引くためだったとしても、単にどんどんおしゃべりが楽しくなっている可能性も。おそらくこの子ももっと小さいときに、親が気づかない程度のイヤイヤがあったのではないでしょうか。

 「満たされているからイヤイヤがない」というわけではありません。また「与えすぎたから何も言えないのでは」ということもないです。むしろ、親がたっぷり愛情を与えたからこそ、「この人はなんとかしてくれるはず」と子どもが安心してわがままを言ったりぐずったりできるのです。