「パパがイヤ」の意外な理由とは?
時々、「子どもから『パパがイヤ』と言われて悲しい」という相談を受けることがあります。もちろん「パパがイヤ」だけではなく、「ママがイヤ」もあるでしょう。
「パパがイヤ」と言われる原因は、はっきり言ってしまうと子どもから見てパパに魅力がないからです。だからといって、パパの人間性を否定しているのではありません。子どもは普段長くいるほうの親をよく観察しているので、この場合は「ママって料理もできるんだ」「ママはスマホも上手に使えるんだ」というように「ママってすごい」と感じる機会が多いのですが、接する時間が短いほうの親に対しては「あの人は一体何ができるんだろう?」と思ってしまいがちなんです。
日常で「パパってすごい」と思わせる瞬間を作る
運動会でパパが活躍するところを見て、パパへの接し方が変わったという話はよく聞きます。そんなふうに、普段の生活の中でも「パパってすごいんだ!」と感じてもらえる瞬間を作るといいでしょう。
例えば、子どもが仮面ライダーにハマっているのなら、パパが1人で仮面ライダーのおもちゃで遊んでいるところを見せてあげてください。いきなり一緒に遊ぼうと誘っても、子どもは自分のことをよく分かってくれるママのところに行きたいから、あっさり断られる可能性があります。まずは率先してパパが楽しむ姿を子どもに見せましょう。パパが1人で楽しそうに遊んでいたら「僕が好きなおもちゃで楽しそうに遊んでいる」というところに子どもは魅力を感じてくれます。こちらから誘わなくても遊びの輪に入ってきたら大成功です。
もし、「パパがイヤ」と言われたとしても、嫌われていると考える必要はないと思います。深読みする時間があるなら、子どもが何に興味があるのかを考えてみたり、自分自身が好きなことを楽しそうにやっている姿を見せてあげてください。子どもって、結構何でも「すごい」って思ってくれるんですよ。お手玉を上手にやってみせたら、あっという間に「パパ、すごい!」って言ってくれると思うんです。「パパがイヤ」というフレーズが出てきたら、自分の魅力を発揮するチャンスが来た! と捉えてみてはいかがでしょうか。
イヤイヤ期は一生続くものではありません。感情がコントロールしにくい瞬間も多いかと思いますが、大人も気持ちを切り替えて上手に付き合っていきましょう。
次回は、「ウチの子のイヤイヤ期が他の子と違うと感じたとき」について、伺います。
(文/樋口可奈子、写真/小野さやか、イメージ写真/鈴木愛子)
保育士