だんだんと言葉でのコミュニケーションが取れるようになってきて、子どもとの関わりが楽しくなる半面、毎日のように繰り返されるイヤイヤ、グズグズに疲れてしまった……そんなママ・パパも多いのでは? 「イヤイヤ期は誰もが通る道」と頭では分かっていても、対処に困ってしまうこともあるでしょう。この連載では「子どものイヤイヤ期」について、ツイッターが大人気の保育士「てぃ先生」に聞いていきます。今回は「イヤイヤ期ってどうしてやってくるの?」をテーマに、保育士として実際に体験したエピソードを交えて、解説してもらいます!

「イヤイヤ」ばかり言うのはなぜ?

 「イヤイヤ期」という言葉は誰もが知っていると思います。イヤイヤ期は、自分という存在が確かにここにあるという自我が芽生えてきたとき、これまでのようにママやパパに言われた通りに行動するのではなく、自分がやりたいことや気持ちを主張する時期です。個人差はありますが、2歳くらいでイヤイヤ期に突入する子が多いようです。

 なんでもかんでも「イヤ」で答える理由は、子ども自身が頭では物事を理解しても、言葉がまだついてきていないからです。本人としてはやりたくないことや気に入らないことが心の中にはたくさんあるのだけど 、それをうまく言語化できないので、「イヤ」の2文字に全ての思いを込めています。

 大人から見ると「なんでいつも『イヤイヤ』ばっかり言うの?」と思うことでも、子どもの心の中には「まだ遊んでいたい」「もっと電車を眺めていたい」というように、いろんな思いがあるのです。

ただ「イヤ」と言っているのではなく、子どもの心の中には「まだ遊んでいたい」などいろんな思いがあるのです
ただ「イヤ」と言っているのではなく、子どもの心の中には「まだ遊んでいたい」などいろんな思いがあるのです

「イヤ」の裏にあるものを見極めよう

 イヤイヤする理由は「やりたいことがある」、または「やりたくないことがある」からだけではありません。例えば、子どもと一緒に買い物に行き、お菓子やおもちゃをしつこくねだられて、根負けして買ってあげると全く興味を示さなくなったという経験をしたことはありませんか?

 2歳くらいになると、実際には親の手を借りないとできないことでも「自分でいろいろできる」という自信が出てきます。特に女の子は「私はママよりもできるわ」という気持ちを持つ子も増えてきます。

 買ってあげたものに興味を示さなくなったのは、その子がお菓子やおもちゃが本当にほしかったのではなく、イヤイヤすることで大人に勝ちたかっただけだからかもしれません。イヤイヤにはいろいろなパターンがあるのです。

 子どもの「イヤ」の中に何が隠れているのか、ふだんの生活や子どもの行動から探り出すのが大事です。