2018年8月、東京・日本橋でスタートした異色の大学院大学・至善館。仏インシアード経営大学院や英ロンドン大学経営大学院など世界的なビジネススクールで教鞭(きょうべん)を取ってきた野田智義氏が今なぜ、新たな大学院大学を創設したのか。そこには歴史的な転換期に直面する世界と、未来に挑戦できるリーダー人材に対する危機感があった。

「リーダーとは目指すべきものではなく、結果として『なる』べきもの」、「学歴も肩書も不要。リーダーとは自らを信じて行動する人のことである」……創設者である野田智義氏が至善館創設の経緯とともに、独自のリーダーシップ論を語る。

岐路に立つ米国発のMBA型ビジネス教育

 私たちは至善館において、従来のビジネススクールとは異なる新しいビジネス教育のあり方を日本発で生み出したいと考えています。今回は、至善館がどんな教育機関で、どのようなビジネス教育を目指しているのか、また具体的にどのような教育プログラムを提供しているのか、お伝えしたいと思います。

 前回、世界が歴史的な曲がり角に直面していると述べました。それともう一つ、私たちの大きな問題意識として、これまで約100年間、世界標準とされてきた米国発のMBA型ビジネス教育が岐路に立たされている、ということがあります。

 私はマサチューセッツ工科大学(MIT)でMBA、ハーバード大学でDBA(経営学博士)の学位を取得し、ロンドン大学ビジネススクールやインシアード経営大学院(フランス)などで教鞭をとってきました。学ぶ立場としても教える立場としても、ビジネススクールというものを最も体験してきた日本人の一人だと自負しています。

 そんな私の経験から、あえて誤解を恐れずに言うと、「米国発のビジネススクールは20世紀資本主義の遺物」と考えているのです。

大学院大学至善館理事長の野田智義氏
大学院大学至善館理事長の野田智義氏

次ページから読める内容

  • 21世紀に入り、世界経済の構造が激変
  • ビジネススクール教育とデザインスクール教育を融合
  • 「Why」を問う、教育としてのリベラルアーツ

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