●公助段階 中学校2年生(13~14歳)以上

 

社会の一員として災害や犯罪から皆を守れる人になることを目指そう

 不審者を見かけたら110番する、町をきれいにして犯罪者を寄せ付けないなど、誰とでもどこででも助け合う力をつける時期です

 思春期真っただ中に入り、保護者への反抗や葛藤が増える時期です。一方で「分別のつく年齢」として、ある側面では大人として社会でも扱われます。体つきも大人っぽくなり、塾や部活動などで、夜間に外出する機会も増え、その分、危険も高まります。夕方以降外を歩くときは、前後左右20メートルの範囲には気を付けること、音楽を聴いたりスマホを見ながら歩くと、それだけ危険が高まることは、子どもが「分かっている」と言っても、繰り返し伝えましょう。

 この時期は、子どもから話してくれることが少なくなったり、親子間での衝突が増えることもあります。そんな時は、子どもの友人の保護者とお互いの子どもの様子(子どもが遊びに行った場所など)を共有することもできるでしょう。子どもの体育祭や授業参観などを見に行き、子どもが学校でどんな様子でいるのか、友人関係などを見ることも大切です。

 子どもが抱える悩みやトラブルは複雑化していきます。家庭で抱え込み過ぎずに、必要に応じて学校や警察などの力を借りることが必要な時もあります

 守られるだけではなく、誰かの安全のために瞬間的に即実行するボランティアをすることも教えましょう。それは、教室内でのいじめを見逃さないなど、自分の友人を、自分も守りつつ知恵と勇気で助けるようなことです。また、「中学生が迷子の5歳児を助けた」「振り込め詐欺に遭いそうになっていたご高齢の方を助けた」など同年代の子どもが誰かを助けたニュースがあったら、共有し、「あなたも見知らぬ人を助ける力を十分持っている」と気付かせてあげましょう。

 誰か特別な人が特別なことをするのではなく、気付いた人が気付いた時に声を掛けたりすることで、状況は良くなることを大人の先輩として伝えることが大事です。そして、通学路を見守ってくれている方々などに「ありがとうございます」と感謝の言葉を伝えるなど、社会の一員として生きていることを意識づけていきましょう。

 中学2年生を超え、「大人」としての振る舞いができるようになっているか、安全基礎体力がいっぱいに満たされているか、安全基礎体力の仕上げの年として子どもを見守っていきましょう

取材・文/小山まゆみ 構成/日経DUAL編集部 福本千秋 撮影/花井智子