●共助段階 小学校4年生(9~10歳)から中学校1年生(12~13歳)

友達のピンチを救える子に。子のSNS利用にも注意を

 みんなと一緒に助け合って生きていく力をつける時期です。いざという時は友達が危ない目に遭ったら防犯ブザーを鳴らして周りの大人に知らせるなど、できるようにしましょう。

 4年生になると学童クラブを卒所し、一人で留守番する子どもも出てくるでしょう。その前に、少しずつ留守番の練習をするのも良いですね。例えば、3時間留守番をすると仮定し、時間割を子ども自身が作り、それでよいか親子で確認して、守るべきルールを決めます。電話がかかってきても親から以外の場合は出ない、台所で火を使わない、玄関は開けないなど、命に関わることに関する約束を親子で決めることが重要です

 5、6年生になると、子どもたちは段々と思春期に入り、心身ともに大人になっていきます。友達との関係は広く深くなり、SNSのトラブルなども増えてきます。親からは子どもの友人関係が見えなくなります。今までほど親と一緒に行動をしたがらなくなったり、時には親に反抗したりと、子どもが親から離れていくこともあるでしょう。その中で危ない環境に飛び込んでいこうとしたり、ひやりとすることがあるかもしれません。

 親としては寂しさがあると思いますが、越えてはいけない一線を毅然と示すことも必要です。「分かっているだろう」と思っていることも、もう一度確認しましょう。例えば、ゲームをする時間、スマホを使う時間、使う場所、つながる人、などです。この時期にもう一度しっかりと話し合うようにします

 そうした上で、友人同士のトラブルの相談に乗りつつ、本人たちで解決できるように促しましょう。自分で判断し、その結果に責任を負う経験が必要です。その一方で、「親はあなたのことを気にしている、大変な時は必ず助ける、いつでもそばにいて相談に乗る」という態度を示すこともとても大切です。

Q.一人で電車に乗って、繁華街にある塾へ。帰りが夜遅くなるのですが、注意すべき点はありますか?


A.鳴らせる場所に防犯ベルを。自分で自分の身を守る力を身に付けるのも大事です

 まずは塾のバッグにも防犯ベルを付けておくようにしましょう。ただし、いざというときに使えなければ意味がないので、鳴らせる位置に付けるようにしてください。

 塾から駅までの間に気を付けたいことは主に次の3つです。特に雨の日などに「送っていってあげようか」と言われても、「大丈夫です」と言って、きっぱり断るようにします。

・後ろからついて来る人
・後ろからそろそろついて来る車
・停まっている車や待ち伏せしているような車

 子どもを狙って悪さをたくらんでいる人は、たまたま見かけた子を狙うというよりは、事前にこの子は決まった時間に必ずこのあたりの車両に乗るということを把握しています。それを前提にホームで待ち伏せしたり、わざわざ同じ電車に乗って来るかのどちらかであることが多いので、次のようなことに注意しましょう。

・車内で、他にも空席があるのに、自分の隣に座ったり、近くに立つ人がいたら、目を合わさないようにして、すっとその場を離れる。または車両を移動する。
・車内で同じ人と何回も会うようなことがあったら、電車やバスを1本ずらすか、いつもと違う車両に乗る。ホームに車掌さんがいるときは、そこから電車に乗る。
・電車やバスを降りてからも、後ろからつけて来る人がいないか周囲に目を配る。
・不安な時はいつでも親に電話できるようにしておく。ただし、通話をしたり、通話しているふりをするのはNG。今なら接近しても気がつかないだろうと思われてしまうので、「私は気を張っています」というポーズで歩くこと。高学年の子であれば自分で110番してもよい。
・後ろをつけられて写真を撮られるようなことが増えているので、体が接近してこなくても、自分のほうにスマホを向けている人がいたらすぐにその場を離れる。

 小学校の高学年になり、自分で行動するようになったら、このように自分で自分の身を守る術を身に付けていかなければいけません。かといって、「一人で頑張りなさい」ということではありません。車掌さん、コンビニの店員さん、塾に戻って塾の先生など周りの大人に「助けてください」と言っていいんだよ、ということも、子どもにしっかり教えてあげてください。