6・3・2の法則をチェック 防犯メールが増えたらパトロールを強化

 「子どもを狙った犯罪などが起きる前には、 様々な犯罪や、犯罪には至らないまでも、その行為者に指導や警告などの措置が取られる『声かけ』や『つきまとい』などを含めた、前兆事案が発生します。地域で前兆事案が発生すると学校や自治体から防犯メールが配信されるので、必ず登録しておきましょう」と清永さん。

 「その頻度が学区内で半年に6回、1か月に3回、1週間に2回に増えてきたら「ここでは悪いことをしやすいなと」犯罪企図者が集まりやすくなっているサイン=前兆だと思いましょう。 私たちはこれを『6・3・2の法則』といっています。このようなときは、パトロールにも緊張感を持ち、同じ道を逆方向からたどってみるなど、見回りを強化するようにしてください。また、町内会の掲示板などで他の罪種の犯罪の発生状況をのチェックすることも有効です」

 パトロールはとにかく継続することが大切です。「そのためにはいつもいつも緊張していては続きません。普段のパトロールはリラックスした気持ちで歩くなど緩急をつけてください」と清永さんは言います。

●怪しい人を見たときは
【声をかけるときは4m以上離れたところから】
・学校と自治体には必ず連絡を入れて情報を共有し、地域全体で怪しい人に目を光らせる
・怪しい人から少し離れたところで110番する
・暗闇にたたずみ、子どもをじっと見ている不審者がいたら、すぐ警察に知らせる
・バス停や駅のホーム、電車の中などで子どもをじっと見ている不審者がいたら、駅員や鉄道警察に知らせる
・緊急性がなくても気になるときは♯9110(生活の安全に関する不安等の警察の相談窓口)へ連絡を入れるとよい

 パトロール中に怪しい人がいたら『どうしたのですか』などと声をかけるようにします。ただし、近寄り過ぎてはダメ。人間のテリトリーである4mは離れておくと安心です。もっと近づく必要がある場合でも、大人の腕2本分(相手の身長×0.8)は離れておきます。
 相手が一歩前に出てこちらの腕をつかもうとしても、この距離なら届きません。怪しいなと思ったときはそれ以上、近寄らずに引き返し、少し離れた場所から安全を確保したうえで110番します。または近くの通行人に『怪しい人がいるのですが』を声をかけて、連携するようにしましょう。
 万が一、危険を感じたときは防犯ブザーを鳴らして相手に投げつけるのも身を守る手段です。
「防犯教育の定番『いかのおすし』の標語も大切ですが、それだけでは足りない」と、防犯教室では怪しい人の見分け方をオリジナルの標語にして子どもに伝えている
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