自分で自分の身を守るために子どもに身に付けさせたい「安全基礎体力」。それは、公園遊びの途中でちょっとトイレに行くときにも必要です。少しずつ手が離れていくわが子に教えておきたいポイントを、防犯の専門家・清永奈穂さんにお聞きします。

いつも行く公園の安全度をチェック

 親子で普段足を運んでいるいつもの公園も、小学生くらいになると子どもたちだけで遊びに行くようになります。子どもが年中くらいになったら、その公園が子どもだけで遊びに行っても安全かどうか、一度チェックしておきましょう。危険度を見分ける主なポイントは次の通りです。

公園のチェックポイント

 遊具や水飲み場やトイレなど、多くの人が使う場所が汚れているのは、手入れがされていない証拠です。汚れている場所は人が近寄らなくなっていくため、子どもに悪さをしようとたくらんでいる人には好都合だと考えてください。

こんな公園は注意 他の遊び場を探しましょう

公園全体
・公園内にゴミが散らばっている
・公園の壁などに落書きがしてある
水飲み場周辺にゴミなどが散乱し、汚れている
公園内の樹木が伸び放題になっている

トイレ
・トイレが汚れている
・トイレの出入り口が複数あり、裏からも自由に出入りできる
トイレの出入り口が、男子用と女子用に分けられていない

遊具・遊びスペース
・遊具の周りが汚れている
乳幼児が遊ぶ空間が柵などで分けられていない

子どもを公園で遊ばせるときの注意点

 子どもから目を離さないのはもちろんのこと、子どもと一緒に遊びながら、周囲にどんな人がいるかにも目を配るようにします。

 公園の内外で不自然にスマホやカメラをかざしている人がいたら、隠し撮りされていないか観察しましょう。「何をしているのですか?」と声を掛けるか、親子でその場を離れるようにします。声を掛けるのが怖いときは110番してもかまいません。

 次のようなことがあったら、子どもが遊びたがってもその場を離れましょう。

こんな人には注意!

・スマホを持ったり、新聞を広げているけれど、読んでいる気配がなく、子どもをじっと見ている
うちの子ばかり見ている
・しつこく話し掛けてくる

子どもに教えておきたいこと!

他人からお菓子などをもらっても、すぐに食べない(「お母さんに聞いてから食べます」などと言うように教える)
・近くのベンチなどで、水飲み場のほうばかりをじっと見ている人がいたら近づかない

イギリスの公園の幼児向け遊具を囲む柵。幼児とその保護者以外は入りにくい仕掛けが成されている(画像提供/清永奈穂)
イギリスの公園の幼児向け遊具を囲む柵。幼児とその保護者以外は入りにくい仕掛けが成されている(画像提供/清永奈穂)
日本でも幼児向け遊具を柵で囲む公園は増えてきている(画像提供/清永奈穂)
日本でも幼児向け遊具を柵で囲む公園は増えてきている(画像提供/清永奈穂)