家事をできるだけスムーズにこなして、ゆとりのある毎日を送りたい、家族との時間を増やしたいという願いは、働くママ・パパの永遠のテーマではないでしょうか。ですが現実は、常に時間に追われ、気力・体力ともに限界、たまった洗い物や洗濯物を横目に寝落ちする……なんてことも少なくないはず。

 今回の特集では、家事負担を軽減し、限りなく「ストレスフリー」な生活を送る実践的なノウハウやメソッドを紹介していきます。第1回は、整理収納カウンセラーで、「ゆとり工房」代表の飯田久恵さんにお話を聞きました。

【「家事ストレスフリー」生活のススメ特集】
第1回 飯田久恵 家事ストレスフリーは収納の見直しから ←今回はココ
第2回 「収納指数」を減らすことがストレス減の第一歩
第3回 本間朝子 「動線研究」と「予防掃除」で時短を実現
第4回 勝間和代 料理で火は使わない、最新AIを活用せよ
第5回 収納王子コジマジック「片づけは家族全員で」が原則
第6回 片づけビフォーアフター 収納が変われば家が変わる
第7回 DUAL編集部座談会 家事はこうして手を抜こう!

たまる家事にイライラして家族に当たってしまったことはありませんか?

 自分が満足のいくバランスで家事をこなせている、と感じているDUAL読者はどのくらいいるのでしょうか?

 疲れとともにたまっていく家事にイライラして、気付けば子どもやパートナーに対しても厳しい態度で当たってしまったという経験は、共働きで忙しいDUAL読者は一度ならずともあるのではないでしょうか。もっとゆとりを持って生活できたらとは思うけれど、時間も体力も余裕がなく、なかなかうまくいかない。

 しかし、日経DUAL編集部が取材で出会ったあるワーキングマザーは、限りなく“家事フリー”な生活を実践していました。掃除は主にルンバ、ブラーバなどの家電に任せ、トイレも全自動おそうじトイレを導入。洗濯は全自動乾燥機を使い、乾燥が終わったらそのまま家族それぞれの洗濯物ボックスに仕分けして投げ込むだけ。乾燥してふわふわなので、しわになることもないそうです。料理は家事代行サービスの人に作り置きを頼んだり、生協の食材キットを上手に活用したり。水回りのお掃除など、家電では対応できないところは家事代行に依頼して、限りなく「家事ストレスフリー」な暮らしを実現していました。

 ここまで実践しようと思うとある程度はお金もかかるわけですが、整理収納カウンセラーで、一般社団法人日本収納カウンセラー協会「ゆとり工房」代表の飯田久恵さんは「すべての家事に関わる収納から見直すことで、家事ストレスフリーは少しずつ実現できます」と語ります。

 飯田さんが家事の効率化に目をつけたのも、自身の体力不足が原因だったとか。

 「私はもともと低血圧と貧血がひどくて、朝がとても弱かったんです。毎朝10時ごろに子どもを連れて公園に遊びに行っていましたが、周りのママたちは公園に来る前にすべての家事を終わらせていると聞いて驚きました。私は朝起きて、夫と子どもたちに朝ごはんを出すので精いっぱい。掃除や洗濯なんて全くできませんでした。

 そんなとき、ある双子の男の子がいるお宅に遊びに行ったら、わが家とは比べものにならないくらい家の中がピカピカだったんです。それを見て、私は全然できていないんだな、これはどうにかしなければと、家事をいかに効率的に進めるかを考えるようになりました」

<次のページからの内容>
● 家事を効率化するうえで一番重要なのが「収納」
● なぜ、自分はその家事が嫌いなのか、原因を徹底的に考える
● 家事の動線に沿った収納がなされていればストレスは激減する
● あらゆるモノに“指定席”を
● ゆとりが人生を豊かに、幸せにさせる