ゆとりが人生を豊かに、幸せにさせる
また、そもそも苦手だからやる気が出ない、でもやらなきゃいけないというジレンマで、イライラするのが家事ストレスの原点ではないでしょうか。そのやる気の出し方にもポイントがあるのだとか。
「苦手なことは、誰でもやる気なんて出ないのが当然ですよね。しかも、やる気は家事を始めてから少しずつ出るもの。でも、やらなきゃいけないからという理由だけで始めようとする。それではますますつらくなるだけです。では、どうやって最初のやる気を出すかというと、やり始めると楽しいというイメージを持つことが必要なんです。楽しい=快感ということですね。
例えば、収納で言えば、モノがピタッと収まったという快感。それさえ味わえれば、またあの状態に戻りたいとやる気も出てくるものなんです」
正しい収納を通して飯田さんが実現したのは、ゆとり。まさに働くママ・パパたちが一番求めているものです。
「収納をきちんとして家の中が整ったら、自分の気持ちにゆとりが生まれただけでなく、家族に対してのイライラもなくなって、とてもおおらかになれたんです。すぐに片付く家になれば、家事効率もアップし、心にも時間的にも余裕ができるということです。
ゆとりというのは、心のゆとり、時間のゆとり、空間のゆとりのこと。ゆとりがあれば人に対しても優しくなれるし、豊かな気持ちになれる。ひいては人生の幸せにつながるんです。収納はそのための手段だと考えています」
それでは、実際にどのように収納を整えていけばいいのでしょうか。次回 は具体的な収納メソッドについて、引き続き飯田さんにお聞きしていきます。
(取材・文/宇野安紀子 イメージカット/鈴木愛子)
ゆとり工房/一般社団法人日本収納カウンセラー協会代表理事・収納カウンセラー
収納家具・システムキッチンの設計に従事していたころから収納の重要性を実感。
独自に整理収納を研究し、「整理収納の理論」を確立させる。1990年、日本で最初の収納コンサルタントの会社「ゆとり工房」を設立。収納相談や収納設計、子ども収納や衣類セミナーなども各地で行う。
『家庭も仕事もうまくいく 一流の収納術』(ぱる出版)、『[出し入れ]楽チン! クイック収納術』(PHP)他著書多数。『ためしてガッテン』などへのテレビ出演も多数。http://www.yutori-cobo.co.jp