家事をできるだけスムーズにこなして、ゆとりのある毎日を送りたい、家族との時間を増やしたいという願いは、働くママ・パパの永遠のテーマではないでしょうか。だけど現実は、常に時間に追われ、気力・体力ともに限界、たまった洗い物を横目に寝落ちする……なんていうこともあるはず。

 今回の特集では、家事ストレスフリー生活を実践、推奨する方々のメソッドを紹介していきます。第3回は、知的家事プロデューサーの本間朝子さんにお話を伺いました。

【「家事ストレスフリー」生活のススメ特集】
第1回 飯田久恵 家事ストレスフリーは収納の見直しから
第2回 「収納指数」を減らすことがストレス減の第一歩
第3回 本間朝子 「動線研究」と「予防掃除」で時短実現 ←今回はココ
第4回 勝間和代 料理で火は使わない、最新AIを活用せよ
第5回 収納王子コジマジック「片づけは家族全員で」が原則
第6回 片づけビフォーアフター 収納が変われば家が変わる
第7回 DUAL編集部座談会 家事はこうして手を抜こう!

「知的家事」でやらなくていいことは極力やらない

 本間さんが提唱している「知的家事」という理論は、家事もビジネスと同様に効率を意識して、やるべきことを絞り込み、やらなくていいことは極力やらないようにするという考え方。本間さん自身が仕事と家事の両立に悩んだとき、時間や体力をできるだけ使わず、シンプルかつ効率的に家事をこなすために生み出した方法で、まさに働くママ・パパにぴったりと言えそうです。

 まず意識してほしいのが、掃除と片付けの違い。そもそもこの二つの違いを考えたことがない、もしくは同時に行っている方も多いのではないでしょうか?

 「掃除と片付けは全く違うものと考えてください。連動して楽にはなりますが、同時にやるものではなく、片付けがまず最初にあって、そこから掃除が楽になるという流れなんですね

 掃除は清潔にすること、片付けは整理整頓ですが、同時に行うと効率が悪く余計に作業を大変にしていると本間さんは指摘します。そこで本間さんが推奨しているのが「予防片付け」という概念です。

 「まず、いつも散らかりがちなものを片付ける場所と、ふさわしい動線を作ります。特に、外出から帰宅後の5分は『魔の時間』で、買い物したものを床に置いたり、脱いだものをソファにかけたり、郵便物なども含めて、物がバーッと入ってくるタイミング。それを上手に片付けられずに物がたまっていくと家が散らかるので、それを予防するために『置く場所=収納場所になる』という動線を作る必要があります」

<次のページからの内容>
● 動線に人を合わせると失敗する
● 物を減らすなら引き出し一段から
● 「あぁ、あれをやらなきゃ」と考えるストレスを減らす
● 埃の間に対処をせよ
● 掃除しなくて済むように「予防」する
● 家事シェアを成功させる「言い換え3か条」