製品によって違う、センサーの種類。複数を組み合わせることで精度が向上

 こういったことができるようになった理由のひとつに、センサーの進化があります。以前は赤外線で障害物を探知するのが一般的でしたが、今はそれに超音波やカメラを組み合わせ、複数のデータを収集します。それらのデータを総合すれば、より正確に状況を判断できます。たとえば、目の前にあるのが壁なのか、それともテーブルの脚なのかということは、これまで判別できませんでした。しかし複数のセンサーを駆使すれば、その違いがはっきり判別できます。

 さらに、マップ機能も進化。以前はセンサーで検知した情報をもとにマップを作成するのみでしたが、最新機種では日々センサーを使って最新情報を収集し、マップを最新バージョンに更新。これにより、効率よく部屋の中を掃除できるようになりました

 このように、情報収集力の向上が、判断力=頭脳の進化に大きく貢献しています。製品によって備えているセンサーが違うので、詳しく説明しましょう。

 「PUREi9」 (Electrolux)は、カメラと2方向のレーザーを備えた「3Dビジョン」技術を使って床の上にあるコードや障害物を察知し、その先の距離を計算しながら2.2cmまでの段差を乗り越えます。本体の前面にあるカメラは、360度の広い視野で部屋の状況を把握し、3Dでマッピングすることができるため、より効率のいいルートで部屋の中を移動。同じ場所を何度も往復することがありません。

「PUREi9」 (Electrolux)は、床の上にあるコードや障害物を察知。2.2cmまでの段差を乗り越えることもできる。実勢価格8万9510円(税込み)
「PUREi9」 (Electrolux)は、床の上にあるコードや障害物を察知。2.2cmまでの段差を乗り越えることもできる。実勢価格8万9510円(税込み)

 「Dyson 360 Heurist」(dyson)は、赤外線とカメラを備えたモデル。周囲360度を見渡して状況を正確に把握するパノラマレンズを備えるほか、長距離マッピングセンサーや段差を検知する段差センサー、壁に接近して掃除するための壁面近接センサー、障害物をいち早く検知して接触によるダメージを回避する障害物センサーなどを備えています。

「Dyson 360 Heurist」(dyson)は、赤外線とパノラマレンズを駆使し、部屋の中の状況を察知しながら上手に回避する。実勢価格11万8800円(税込み)
「Dyson 360 Heurist」(dyson)は、赤外線とパノラマレンズを駆使し、部屋の中の状況を察知しながら上手に回避する。実勢価格11万8800円(税込み)

 「ルーロ MC-RS810」(パナソニック)は、レーザーセンサーと超音波センサー・赤外線センサーという3種類の障害物検知センサーを備えた「全部のせ」モデル。障害物検知センサーを駆使し、幅約2cmの家具の脚までしっかり見分けてキワまで掃除。スマホアプリから掃除結果も確認できます。

「ルーロ MC-RS810」(パナソニック)。3種類の障害物検知センサーを備えているから、障害物の種類もしっかり検知。家具の脚のキワまできれいに掃除する。実勢価格12万7440円(税込み)
「ルーロ MC-RS810」(パナソニック)。3種類の障害物検知センサーを備えているから、障害物の種類もしっかり検知。家具の脚のキワまできれいに掃除する。実勢価格12万7440円(税込み)

 ロボット掃除機を使ってみたいけれど、そこまで投資するのはちょっと……という人にお薦めなのは、コスパが魅力の「ミニマル RV-EX20」(日立製作所)。搭載しているセンサーは赤外線のみなので、他の製品より若干精度は落ちますが、以前より吸引力が高まり、隅々まで吸い残しなく掃除するようになりました。

 もちろん、スマホやスマートスピーカーを使った指示もできますし、複数箇所に備えたセンサーとAIで状況を把握しながら的確に掃除します。

「ミニマル RV-EX20」(日立製作所)は、コスパが魅力。ロボット掃除機を試したい人はここから始めてみては。実勢価格8万1120円(税込み)
「ミニマル RV-EX20」(日立製作所)は、コスパが魅力。ロボット掃除機を試したい人はここから始めてみては。実勢価格8万1120円(税込み)