子どもを自然に触れさせたいけど、都会ではなかなか難しいーー。そんなふうに諦めてしまっていませんか。「都会の公園でも、道端の街路樹でも自然体験は可能です」。保育園などでネイチャープログラムを実施している長谷部雅一さんは言います。
 この連載では、都会で子どもと一緒に自然と触れ合って遊ぶためのノウハウを紹介。今回のテーマは、「虫捕り」です。

虫が苦手な親、虫が得意な親の「あるある」

 暑くなってくると、様々な生き物に出合う機会が増えてきます。「虫」については、大人でも「得意な人」と「苦手な人」に分かれますよね

 パパと子どもが公園で遊んでいると、虫に出合いました。自分の子どもがその虫にどういう興味を持つか、観察するとよいと思います。手を伸ばして触ろうとしたり、じっと見ているだけだったり、警戒して少し距離を置いたり、様々な反応があると思います。

 このとき、気を付けたいことがあります。虫が得意な親は、子どもが虫を触りたがらないと「なんで持てないの」などと、触ることを強要してしまいがちです。大人はなぜか「虫が触れる=よいこと」と思ってしまうのですが、本当は、「触れること」イコール「よい」でも「悪い」でもないはずです。触ることができなくても、例えば頭部を見て「変な頭だな」などと興味を持つ気持ちは大事にしてあげたいところです。

 反対に、虫が苦手な親は、「気持ち悪い」「触らないで」などと、ネガティブな反応を見せてしまう傾向があると思います。本当は、子どもがフラットな状態で虫に関心を持ってくれるのが理想です。そのためには、親が先入観を植え付けないほうがいいでしょう。3歳ぐらいになったら、多かれ少なかれ親の影響は知らないうちに受けていると思います。もしすでに、影響が出ているようなら、できればその先入観をとかしてあげる方向へ持っていけるといいでしょう

子どもがフラットな状態で虫に関心を持ってくれるのが理想(撮影:長谷部雅一)
子どもがフラットな状態で虫に関心を持ってくれるのが理想(撮影:長谷部雅一)