子どもを自然に触れさせたいけど、都会ではなかなか難しい――。そんなふうに諦めてしまっていませんか。「都会の公園でも、道端の街路樹でも自然体験は可能です」。保育園などでネイチャープログラムを実施している長谷部雅一さんは言います。

 この連載では、都会で子どもと一緒に自然と触れ合って遊ぶためのノウハウを紹介。今回のテーマは、「梅雨」と「花や虫の名前を調べるなら」です。

雨が嫌いなのは大人だけ?

 梅雨の季節です。雨が多いと、外で遊べないから憂鬱だというパパは多いかもしれません。でも、本当にそうでしょうか。子どもは意外と、カッパを着たがったり、長靴を履きたがったりしませんか。雨で憂鬱なのは、実は大人だけかもしれません。

 服がぬれるのは私も嫌です。でも、プールに水着で入るのであれば、大人だってぬれても平気ですよね。でも、子どもは服がぬれる状態すら楽しんでしまいます。「ぬれていい服」や「ぬれてはダメな服」「ぬれるための服」など彼らにはあんまり関係ないわけです。子どもにとっては、プールにいるときの「ぬれる」と、道路の上を歩いているときの「ぬれる」に境界線がないのかもしれません

 水に触れる経験というのは子どもにとって本当に大切だと思います。公園に小さい噴水などがあると、子どもは単純にバシャっと入りますよね。「水にぬれる」という感覚が何より楽しい。たまらない快感なんだろうなと思って見ています。色々な感覚を知っているほうが、子どもの発達にとっては絶対にいいと私は思います。

 大人は子どもが水にぬれそうになると、つい止めたくなります。なぜ止めたいのでしょうか。「この後、ぬれた服のままでは困る、着替えさせて、こうして、ああして…」と、ぬれた後の面倒臭いあれこれを瞬時に予想して「後が大変だから、やめて」となります

「水にぬれる」「雨にぬれる」も立派な自然体験の一つ
「水にぬれる」「雨にぬれる」も立派な自然体験の一つ