子どもを自然に触れさせたいけど、都会ではなかなか難しい――。そんなふうに諦めてしまっていませんか。「都会の公園でも、道端の街路樹でも自然体験は可能です」。保育園などでネイチャープログラムを実施している長谷部雅一さんは言います。

 この連載では、都会で子どもと一緒に自然と触れ合って遊ぶためのノウハウを紹介。初回は、“基本のキ”であるパパの「モード切り替え」と「春の公園」がテーマです。

「せっかく◯◯してあげようと思ったのに」とイライラ

 いきなりですが、パパと子どもで公園に行くとしましょう。久しぶりの親子水入らずの時間で、パパも張り切っています。ママに元気よく手を振り、出発しました。パパは、今から行く公園を思い浮かべ「あんなことしたいな、こんなことできるかな」と想像しています。ところが、歩き出して数分もしないうちに、子どもは道路脇に気になるものを見つけて立ち止まってしまいました。「早く行こうよ、向こうで遊べる時間が短くなっちゃうよー」。パパはだんだんイライラしてきます。

 「貴重な時間を無駄のないように使いたい」という気持ちは、よく分かります。普段、時間に追われながら「効率的に働こう」「効率的に家事をしよう」と一生懸命頑張っているわけですから、そう思ってしまうのは当然です。

 やっと到着して「これで遊ぼうか」とパパが提案しても、子どもに「ヤダ」とバサッと切られることもあります。「せっかく楽しくなるように考えてあげてるのに」「せっかく色々準備したのに」。子どもが思った通りの反応をしてくれないと、親はついそう思ってしまいますよね。

 でも、冷静に考えてみれば、「せっかく◯◯してあげようと思ったのに」は子どもにとっていい迷惑かもしれません。

「せっかく◯◯してあげようと思ったのに」は子どもにとっていい迷惑?
「せっかく◯◯してあげようと思ったのに」は子どもにとっていい迷惑?