純度が高く、一般的なワセリンより皮膚への刺激が少ない「matsukiyoワセリンPRO」。黄色ワセリンや白色ワセリンでも肌がぴりぴりしたり、かゆみが出たりするという消費者の悩みの声から生まれた一品だ。ともすれば届かないまま消えてしまいかねないその小さな声をすくい上げ、商品に反映したのは、店舗で働く薬剤師の坂本恭子さん。薬剤師として、母として、現場の第一線で活躍する坂本さんならではの視点が生きた商品開発ストーリーをお届けする。

 デリケートな子どもの肌はもちろん、大人のボディーケアやリップケアにも使える定番の保湿アイテム・ワセリン。しかし、ドラッグストアで手軽に購入できる白色ワセリンや黄色ワセリンでは刺激が強過ぎて使えないケースがあるという。 「前にかぶれたことがあるから使えないとか、もっと肌に優しいものがあったらいいな、と思いながら、市販品にこれ以上は望めないと諦めている人が意外と多いことに気づきました」と、マツモトキヨシ松戸新田店で薬剤師として働く坂本恭子さんは言う。

 一般的にワセリンには使う人を選ばない万能のイメージがあるが、実際は使いたくても使えない人が一定数存在する。しかも、その多くは声を上げることもない。その気づきがきっかけとなって生まれたのが、「matsukiyoワセリンPRO」だ。手足のひび、あかぎれ、皮膚の荒れ、その他皮膚の保護の効能効果を持つ。

客とのコミュニケーションが商品開発のヒントに

マツモトキヨシ松戸新田店の坂本恭子さん
マツモトキヨシ松戸新田店の坂本恭子さん

 坂本さんが働く松戸新田店は、店舗スタッフと客との距離がとても近く、アットホームな雰囲気の店舗という。

 「都心の店舗からは想像しにくいかもしれませんが、顔見知りの方がほとんどで、お話をする機会も多いんです。お客様のほうから販売員や薬剤師に気軽に声をかけて、気になる化粧品について尋ねたり、薬の相談をしたりしてくれます」

 「この商品のここが困る」「もっとこうだったらいいのに」と商品への不満や要望を伝える人や、「こういうのがあったら買いたい」と欲しい商品のイメージを語る人も珍しくない。客にとって店舗スタッフは、困ったときの相談相手であり、同じ消費者目線を持つ良き話し相手でもあるのだろう。

 日々の対話を通じて自然と消費者ニーズに接していた坂本さんは、ある日、「子どもの肌を保湿するのに適した商品はないか」というあるお母さんの相談を受けた。

 「店舗にあるスキンケア用品などを紹介したのですが、話の様子からもっとダイレクトに保湿できて、かつ可能な限り低刺激の商品を探しているようでした。薬剤師として、白色ワセリンや黄色ワセリンでも刺激を感じる場合があることは分かっていたので、もっと誰もが安心して使える保湿剤があったらいいなと思ったんです」

 坂本さん自身、家に帰れば高校2年生と小学校5年生、2人の女の子の母。新卒でマツモトキヨシに入社後、2度の育休を経て、現在は育児短時間勤務制度を利用しながら店舗に立つ。客の話を親身になって聞くうちに、自身の子育て経験もオーバーラップした。

 「次女はそうでもなかったのですが、長女が小さい頃は肌トラブルが多かったのです。皮膚の荒れやあかぎれに悩まされ、皮膚科にも何度か通院しました。でも、母親としては、病院に頼らざるを得なくなる前に自宅でケアしてあげたいと思うものですよね。相談してくれたお母さんもきっと同じ気持ちなのではないかと思いました」

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  • 「PBアイデア創出コミッティ」でアイデアを実現
  • パッケージデザインの制約を乗り越えて
  • これからも、子どもに胸を張れるような仕事をしたい

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