キャラクター時計のかわいさが集中の妨げに

 小学校高学年のとき平吹さんが愛用していた腕時計は、キャラクターが描かれた、かわいさだけで選んだもので、実用性は考えていませんでした。「勉強中にも、ついキャラクターが目に入って気が散ったり、デザインに触発されてノートをカラフルにすることに一生懸命になってしまったり、試験や勉強には向いていませんでした」と振り返ります。ベゼルが回せたのでそれで遊んでしまうことも。腕時計を着けていても、試験当日は試験会場の時計を見ていたそうです。「頭を上げて確認するたびに教室全体が目に入り集中できませんでした」と、苦笑します。

 また、受験に向けて自宅学習をする中で時間を管理する重要さを学んだそうです。最初は「時間配分は何とかなる」と高をくくり、何時間もかけて問題を解いていたそう。しかしその方法では、模擬試験で太刀打ちできないことに気づいたといいます。愛用のキャラクターデザインの腕時計はウレタンバンドで自立しないため、母親が持っていた一番小さな目覚まし時計を机上に置いて時間配分を覚えました。

 これらの経験からスクールタイムは、「大人が日常使いできるくらいのデザインを子ども向けに」「机の端に置いても見やすいように自立すること」を条件に開発が始まりました。