ギャングエイジが楽しむべき秘密基地遊び

 「私は中学年の子どもたちに、秘密基地の面白さをよく伝えていました。秘密基地ごっこが楽しめるようになるのも中学年です。中学年らしいパワーを使った遊び方です」。仲間うちだけの秘密を作る楽しさは、ギャングエイジならではの特権でもあります。

 「平屋の銀行の屋上に秘密基地を作った子どもがいて、怒られました。『秘密基地だから人に見られないところに作りなさい』と伝えましたが、本人に聞くと、団地に囲まれているから他に作る場所がなかった、と。今都会では、人に見られない場所は減っていますよね」

 さらに、中学受験をする子は、塾に通うなど忙しくなります。「子どもたちも『今日遊ぼう』じゃなくて『今日遊べる?』という聞き方になりますよね」

 「小学4年生の子が書いた、こんな詩があります」

月曜日様
いそがしい!
月曜日はくもん。
火曜日は宿題ばかり。
水曜日は塾。
木曜日は、またくもん。
金曜日はピアノ。
土曜日はバレエ・プール。
でも、日曜日はなにもなし。
うれしい!
いつも楽しみにしている。
でも、日曜日が終わると
忙しい一週間が始まる。
つらい…。
でも、月曜日のためにがんばろう!

 まるで多忙な社会人が書いたような詩です。「今の中学年の子どもたちは忙しくて、私たち大人世代が子どものときのようにぼんやりとできる牧歌的な時間はもうないですね。次は塾、次はピアノなどと時間を気にしていては遊びに集中できないのは当たり前です」

 「時代だからしょうがないですよね」と言いつつも、増田さんはこう指摘します。「子どもにとって、群れて遊ぶということは、『心のごはん』を食べているともいえます

 「もともと人間は群れを作って生活することを好みます。中学年は、遊びを中心として群れをつくり、その中での楽しい経験や意見のぶつかり合いなどを通して、集団生活に必要な社会性や創造性、協調性を育てていく時期なのです

 子どもたちが、大人の監視下にない世界を知ることも大事です。だからこそ私は秘密基地遊びが大切だと思います。子どもたちが時間を忘れて遊び込める時間を持つことは、人間らしく生きるための必須条件だと私は思います」

(取材・文/日経DUAL編集部 小林浩子 イメージ写真/iStock)

増田 修治(ますだ しゅうじ)
白梅学園大学子ども学部子ども学科教授
増田 修治(ますだ しゅうじ) 1958年生まれ。埼玉大学教育学部を卒業後、28年間の小学校教員生活を経て現職。NHK「あさイチ」などの情報番組に出演するほか、ニュース番組のコメンテーターとしても活躍。『小1プロブレム対策のための活動ハンドブック 増田メソッド』(日本標準)、『「いじめ・自殺事件」の深層を考える』(本の泉社)、『笑って伸ばす子どもの力』(主婦の友社)など、著書多数。